サンゴレンジャー(★☆☆☆☆)
まさかこの映画もダークナイトの影響下にあるとは
解説
沖縄県・石垣島を舞台に、サンゴ礁を守るため奔走する若者たちの姿を描いた青春ドラマ。環境省の石垣事務所に赴任してきた、正義感溢れる熱血漢の自然保護官・矢島は、サンゴ礁を壊すことになる橋の建設計画に反対し、サンゴ礁を守る「サンゴ防衛レンジャー」の結成を宣言。同期の岸谷を無理やり仲間に引き入れる。当初は戸惑っていた岸谷だったが、次第に矢島の思いに共感し、同じく矢島のまっすぐな姿勢に胸を打たれた小学校教師のリサも仲間に加わる。しかし、そんなある日、橋の建設反対派が集まる集会で、公務員という立場にもかかわらず発した矢島のある発言が、問題を引き起こしてしまい……。主人公の矢島を演じるのは「劇団EXILE」の青柳翔。共演に田中圭、佐々木希ら。(映画.comより)
島で唯一の映画館で鑑賞。
まず、この映画館で上映される映画はいつもフィルム上映だったので、ちゃんとデジタル上映だったことに驚いた。ブルーレイ上映の可能性もあるが、とりあえずこの映画館でかかる作品の幅も広がったはず。願わくば、パシフィック・リムを上映してほしい。
内容はとりたてて書くこともない凡庸な映画であり、ツッコミどころもいちいち挙げていけば切りがないのだが*1、どうしてもツッコミどころとしては特筆せざるを得ないのは新聞記者役の坂田聡さんの演技。
要は、この人物。橋の建設に賛成とか反対とかそういった立場は持たず、ただ場を撹乱することを目的としたトリックスターなわけですが、明らかに『ダークナイト』('08)のジョーカーをパロっている。
いやさ、ゼロ年代で最も影響力のある映画だとは思うし、日本映画でも最近では『ワイルド7」('11)『ガッチャマン』('13)など明らかなフォロワーが出てきて、そのレベルの低さに若干食傷気味ではあるわけだけれども、まさかこんな映画にまで影響が及んでいるとは。主人公を言葉巧みに操り、殴らせて、ケラケラ笑いながら「パーティーの始まりだ!」と言うといった具合に、あまりにもレベルは低いのだが。
前述したとおり、映画としては凡庸なので、このレベルの低いジョーカーパロディーがちょっと盛り上がるポイントになっている。
主張自体は賛成したいものの、もろもろの描写がずさんであるため、あまり誠実なさの感じられない映画でした。