乙郎的SF映画ベスト10
毎年恒例の、ワッシュさんの映画ベスト企画に参加させていただきたく存じます。
毎年、こういったランキングを作成すると自分があまりジャンル映画的な見方をしてこなかったことを思い知らされるわけですが、今回も例によって例のごとく・・・。
ただ、SFという言葉はぼくにとって、「ロック」とか「パンク」とか「文学」とかと同じくらいの輝きを持っている言葉です。
なんというか、ジャンルそのものを指す言葉を超えた、精神性を言い表すような言葉として機能している気がするのです。
で、そのきっかけは何だったのか?
多分、中学生のころに図書館で見つけた新井素子の小説だったと思うんですね。
あれで、SFという言葉の持つ意味が豊饒性を持ちました。そして、新井素子が好きな作家として挙げていた星新一、筒井康隆、レイ・ブラッドベリ等を読み漁りました。
ただ、映画ベスト10を作成しようと思ってふと気付いたのが、映画と言うジャンルに置いて、おそらくは戦後から70年代くらいにかけてあった流れがうまく反映されているとは言えないのではないか、ということ。
たぶん、ぼくが不勉強なせいで、当時のパルプSFが映画化されていたという流れがあることは知識として持っているのですが、あまり作品を見ていないこともあって、自分のSF感がうまく映画の中のそれと一致していない感がありました。
ただ、自分の映画鑑賞史を振り返っていく中で、ひとつ、SFという言葉も知る前に感銘を受けた作品がありました。亡き父と見に行ったこの映画を1位にさせていただきます。
1.MEMORIES(1995年 日本 監督:大友克洋、森本晃司、岡村天斎)
2.時をかける少女(1983年 日本 監督:大林宣彦)
3.トゥモロー・ワールド(2006年 アメリカ 監督:アルフォンソ・キュアロン)
4.2001年宇宙の旅(1968年 アメリカ 監督:スタンリー・キューブリック)
5.惑星ソラリス(1972年 旧ソ連 監督:アンドレイ・タルコフスキー)
6.オブリビオン(2013年 アメリカ 監督:ジョセフ・コシンスキー)
7.裸のランチ(1991年 イギリス・カナダ 監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
8.宇宙人ポール(2010年 アメリカ 監督:グレッグ・モットーラ)
9.コンタクト(1997年 アメリカ 監督:ロバート・ゼメキス)
10.リアル・スティール(2011年 アメリカ 監督:ショーン・レヴィ)
1位は前口上にて述べた理由で、2位は自分の持つSF感に近かったこと、3位から10位も自分の持つSF感に近い作品を中心に選びました。
結局自分の持つSF感とは、技術の先鋭性とともに、抒情性が共存している作品なのだと思います。
未見の名作がたくさんある中でランキングを作成するのは心苦しいですが、発表されたランキングを元に補完していこうと思います。