『ハナ 奇跡の46日間』(ムン・ヒョンソン)
レンタルDVDにて鑑賞。YUMEGIWA LAST GIRLS!これ、本当に映画館で観たかった。おそらく、没入の度合いが全然違ったはず。
まずこの映画の素晴らしさは、役者さんがきちんと卓球をしていて、プロの試合に見えることがあげられる。どこまでが本人の演技でどこまでが吹替かわからないけど、多分卓球ってスポーツの中でも誤魔化すのが難しい題材だと思うんですよ。それを説得力もって表現していた。
朝鮮間の対立というデリケートな問題を扱っている作品は、個人的にはその対立の度合いがどれくらいのものか想像できないため乗り切れないところがある。『高地戦』('12)とか。ただ、これはそこを個人間のドラマに影を落とす背景としてうまく処理していたのが好感。
あと、ベタだけれども確実に印象に残る演出の数々も見事だった。最後の戦いに挑む二人の姿を背中から映すところなどぐっときた。
役者さんの顔もみんなよかった。綾波キャラのペ・ドゥナや凛とした佇まいが魅力のハ・ジウォンは言うに及ばず、朝鮮側の選手ユ・スンボクを演じたハン・イェリの頼りなさげな佇まいはその後の展開にぐいぐい効いてきた。ナイスキャスティング。
あとは当初コメディリリーフとして出てきたチェ・ユニョンはこの南北対立の問題に実は一番直面するキャラクターなのだけれども、その重大さを知った時の顔。それまでコメディ演技だっただけに、あそこで観客共々、背景の重さを知る。その意味で重要な役割。
- 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (2件) を見る