『ヒズ・ガール・フライデー』(ハワード・ホークス)
すでに評価が固まっているこの作品に私が何を言ったところで無意味なのだけれども、とにかく楽しんだ。それもほとんど古典ではなく、新作と遜色ない具合に。
90分のランタイムの中で会話の果たす役割は大きい。絶え間なく繰り出されるトーク、そのスピードにより音楽的なグルーヴを発生させ、かつ複数のドラマを同時進行させることを可能としている。この複数のドラマ進行に関しては映像の役割も大きいし、あとケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルの画面に惹きつける力もある。
で、すごいのは今となっては考えられないけど、コメディ映画という大衆向けジャンルにかかわらず、決して中心にいる二人は感情移入を目的としたキャラクターではない。確かに正義の名目はあるものの、同時にダーティでもある。で、なによりも狂人(笑)
なんというか、どうしてこんな映画が成立できたのかもう少し調べてみる必要がありそうだ。
(追記) ブルースが報われなさすぎだなとは思ったけれど、脳内で西村雅彦に変換すれば納得できる。
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