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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『ザ・イースト』(ザル・バトマングリ) ★★★☆☆

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 レンタルにて鑑賞。
 テーマの重要性が強い作品。なので簡単に好きとか嫌いとかで判断できない。ただ、重要な映画だと思ったし、日本ではこんな映画作られないだろうなと思わざるを得なかった。
 ノンフィクション映画ではないのだけれども、ノンフィクションだと見まがうような感覚があちこちにあった。なんというか、ニュース映像の挟みこみかたとか、あと中盤に出てくるホームビデオとか、そういった映像の使い方がうまいのだろう。かと思えば、フィクション性を強めるような演出も随所に観られ、このあたり、ベン・アフレックっぽいなと思った。音楽の無機質性がそれを演出しているのかもしれないけど、ただ、このリアリティの匙加減がラストの着地に説得力を与えている。
 私自身が、潜入捜査した人物が捜査先の思想に触れることで考え方が変わっていくという展開が好きなのもあって、かなり面白く観ることができた。ただ、アメリカの環境問題について不得手なので、そのあたりの評価はこの先も考えていきたい。
 この映画のような社会問題の切り込み方って多分日本ではできないだろうな。いわゆる「○○問題」として抽象化されたものを扱って、言及しただけで満足し、ぼんやりとした結論しか出せないような作品が多いし、この映画のリアリティは、問題に対する具体性があったことに起因する。ブリット・マーリングという女優さんは『ザ・イースト』の製作・脚本に名を連ねている。こういった個人性の強い作品が娯楽映画的なスケールで作られ、なおかつ社会的なメッセージ性も強いというのはとても重要だ。日本だと杉野希妃さんが近いのかな。
 印象に残った演出としては最初のパーティーシーンでグラスが乾杯されるときの緊迫感はただ事じゃなかった。それと、主人公のサラが最初自分で自分を傷つけてそれを潜入の理由にしていたことが、ラストのある行動と対比されていたのがよかったです。