OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『コータローまかりとおる!』(鈴木則文)

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2014/7/25@新文芸坐

 漫画の実写化かくあるべし。
 要は、少年漫画らしいスケベな主人公にジャッキー・チェン要素を足したもの。格調高さはまるでないものの、漫画の登場人物をパロディ的に再現するばかばかしさに拍手。
 漫画的なばかばかしさというのは衣装替えにあるんじゃないかと思う。『トラック野郎』では博学なマドンナに恋した一番星が学ランを着る。この映画ではクララ姫のパンツを盗もうとコータローがレポーターの格好をする。ここに「漫画」を感じる。
 ただ、実はこの映画、奇しくも同年に公開されたアニメ映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』にも近いんじゃないかと思った。終盤物語の舞台となる時計塔(これも象徴的)では左右対称な画作りが多くなり、いわゆる『シェーン』的な解釈も許す。
 そもそも、物語がプールに落ちることから始まり、プールに落ちることで終わるというのも、この物語が(少年漫画らしく)円環構造をもっていることを象徴しているような気がしてならない。半永久的に続いていくという構造を。まあ、考えすぎなんでしょうけど。
 大葉健二さんが「ハゲじゃない。剃ってるだけだ」と行った時には不思議な感動があった。『キル・ビル』の元ネタを目撃できたのだということで。