OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『MAKE THE LAST WISH』(園子温)

 日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

 多分、園監督的には制作経緯から言って不本意な出来なのだろうけど、個人的には結構楽しめました。「アヴリル・ラヴィーンの妹」オーディションのドキュメンタリーに双子の姉の敵討ちのため参加した満島ひかりに関する劇パートが入る。こちらの劇パートはアヴリル・ラヴィーン原作の漫画を元にしているようだが、プロデューサーがこの漫画の権利を取得していなかったため映画自体お蔵入りになっていたらしい。
 この時期の園監督は一種神がかっていて、チャカチャカした演出やドキュメンタリー風の演技がすごくはまっていて、それだけで飽きずに見ることができた。あと、なんといっても満島ひかりがかわいく撮られている、その一点だけでも素晴らしい。
 確かに脚本的には瑕疵もあるし、そもそも設定からして、実際にオーディションに受かった人に失礼じゃないかと思うところはあるんだけれども(そこは明確な減点)、ただ、細かい欠点であれば気にせず進めるだけの力がこの時期の園監督にはあったと思う。
 余談だけど、僕は最初「アヴリル妹オーディション」って、『太陽を盗んだ男』のローリングストーンズ来日や『ゲロッパ!』のジェームズ・ブラウンみたいなものだと思ってた。