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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『レポマン』(アレックス・コックス)

旧作

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 DVDで鑑賞。

 ストーリー性が強い作品ではなく、役者に華もないので若干退屈ではあるが、いくつかのショット、そしてラストにはかなり打ちのめされた。
 最近のアメリカ映画での核の扱いの安易さには辟易するけれども、この映画が撮られた1984年においてはまだ核の脅威が描かれている。クルマのトランクを開けると光が出てガイコツになって、足首だけ残して燃え尽きてしまうアレはかなりビジュアルショック。これ一発でOK!
 確かに退屈なところは多かった。ストーリー性は薄いし・ただし、この映画は街が主役。構成としてはハーモニー・コリンの『ガンモ』を、街の荒廃さ加減は『マッドマックス2』を思わせる近未来的なビジュアルなのだけれども、この荒廃さ加減が若いころのある時期に周囲が敵だらけに見えるそんな感覚を呼び覚まさせる。
 ここに出てくる街の人々は、放射能におびえ、失業率も高くて将来に希望は持てない挙句右翼やナチズムに走る。って、今じゃん! 案外この風景は今でこそ観てほしいものかもしれない。
 以下ネタバレ。
 



 ラストは発光体になったクルマを取り合うことになる。この発光するクルマそのものが映像として魅力的なのだけれども、ラスト、BTTFより一年早く主人公はクルマにのって空を飛ぶ。ここで僕は凄く複雑な感情を抱いた。希望に満ちているようにも見えるんだけど、どうしてもこの発光するクルマには放射能のイメージが重ね合わせられるし、ただ、そんなことよりもこのラストで、僕は「オマエはもう飛べないんだよ」と言われた気がしたのね。
 もちろん、このクルマの解釈が人によって異なるとは思う。そういった寓意性を含んでいるという意味では、黒沢清監督『アカルイミライ』のクラゲのような役割なのかもしれないとも思った。
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レポマン [DVD]

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