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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

村上龍『イン・ザ・ミソスープ』 (幻冬舎文庫)

 村上龍はあまり好きな作家ではない(考え方が相いれない)のだけれども、やっぱり小説家としての腕は認めざるを得ないというか、読みやすくてかっこいい文章を書いてくれるなあと思う。
 この小説を読んで、ふとU多丸が『渇き。』評の時に、90年代っぽいと言っていたのを思い出した。でもそれは、中島監督の感性が古いというよりも、何て言うか、いろんな流れが90年代で止まっちゃってるんじゃないかという思いが、この小説を読んでいるとする。
 つまりは、TOKYOのうさんくささとか、社会問題とか、そういったものがある種共同幻想として描くことができた最後の時期が90年代だったんじゃないかという気がしてきて、21世紀に入ってからはその延長線上、まったく新しい何かは生まれてないような気がする。
 たぶん、マイナーな何かとしては生まれているんだろうけど、大きく考え方を変えるようなパラダイムシフトは起こっていないような、そんなことをこの90年代の東京を描いた小説を読んで考えた。
  余談だけど、この小説に出てくる外国人は、プラスチックのような滑らかな肌をしていて、名前をフランクという。ファスベンダー主演のあの映画を連想したので、どうしてもこのビジュアルが頭を離れなかった。 https://pic.twitter.com/Kl4C4nsmLc