甘い鞭(石井隆)
ちょっとネタバレせずに語るのが難しい作品。オープンエンドではあるけれど、ストーリーの肝が評価を左右するように思えるので。
最近の石井隆は『ヌードの夜』以降また若返っているように思う。これも『フィギュアなあなた』ほどではないにせよ変な映画だった。というよりも、女優の脱がせ方が明らかに映画で収まるレベルを超えていて、監督自身のメタ的なサディズムを感じる。佐藤寛子、佐々木心音、間宮夕貴、そして壇蜜。どれも明らかに上記を逸した濡れ場を見せているけど、エロくはならない。というよりも、性的に興奮させておきながら、内容が明らかに性欲に蹂躙させられる女性の目線で描かれているから、興奮することに罪悪感を覚えさせる。石井隆は観客に対してもドS。で、この映画における「真実」がどこにあるのか、まだ原作も読んでないのではっきりと示せないけど、ひょっとしたらとんでもなく怖いことになっているんじゃないかと思ってしまった。そもそも、これは「角川ホラー文庫20周年記念作品」ですし。
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