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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ラルジャン(ロベート・ブレッソン)

 はっきりいって呑み込めてないです。昔の映画を評するのに、それより後に発表された愚を覚悟で言うなら、連想した作品は『ザ・マスター』と『シークレット・サンシャイン』だった。
 こういうのが俺の甘さだというのは自覚しているけど、あれほどまで映画上で美しいシーンを構成していた人物が悪だとはどうしても思えない。けれども、物語上ではそうではない。その感覚が呑み込めない。木の実のシーンですね。あのシーン、まるで3時間以上ある映画のクライマックスのような感触がしたのです。
 正直にいえば、最初は「ああ、無表情劇ね。カウリスマキジャームッシュを知る前に観たかったな」なんて思いながら見ていた。塩田明彦の表現を借りれば、「表情を消すことで場が立ち上がる」。カウリスマキが酷薄な状況でも呑気さを失わないことや、ジャームッシュの弛緩した感じもひょっとしてこの映画が先にあるからあったのかも。この映画の酷薄さはちょっと目をそらしたくなる。
 あと、省略もはっきりいって正常な物語の理解に少々理解をきたすほど(よく見ていればわかるが)のレベルで行っている。だから、あのクライマックスに近づいたとき、相当長い映画を見たような感触に陥った。

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