OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2007年新作

黄色い涙

犬童一心監督。「嵐」主演の1963年を舞台にした青春群像もの。 上記の「フラガール」が主観的に高評価できない映画とするなら、こっちは主観的に高評価したい映画だ。別にぼくは「嵐」のファンでもない。ただ、青春の終わりかけた時期に観たこの作品に、感情…

フラガール

李相日監督。1950年代の東北地方で、町おこし事業としてハワイアンセンターを作ろうとした人々の苦難と成功までを描く作品。 去年の公開時に1回見て、テレビ放映でもう一回見た。 一言で言えば、けちのつけようのない作品。あちこちから「いい映画ですよー」…

「めがね」

荻上直子監督の映画。出演は、小林聡美、もたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮。 きっと、バリバリ仕事をこなす上昇志向の塊のようなエリートサラリーマンの人は受け付けない映画だと思う。ぼくは上昇志向だの競争意識だのを欠いた、「あー、こんな世界…

デス・プルーフinグラインドハウス

クエンティン・タランティーノ監督の映画。 グラインドハウスっていう、B級もB級な映画のジャンルがあることは知っていたけれど、それがどんな映画なのかは、実物を見たことがないのでまったくわからない。だけど、この映画の端々に感じるチープさとか、70年…

逃亡くそたわけ〜21才の夏〜

原作絲山秋子の映画。監督は本橋圭太。主演は美波と吉沢悠。 うーん、期待しすぎたからなのか、そこまでいいと思えなかった。これは明らかに自分がThe ピーズの大ファンであるからなのだろうけど、もっとピーズの楽曲を使ってほしかった。 これには理由があ…

街のあかり 

フィンランドの監督アキ・カウリスマキの2006年作。「敗者三部作」最終章となる作品。 ストーリーは、警備員をしているコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は、ある日偶然に出会った女性ミルヤ(マリア・ヤンヴェンヘルミ)に恋をするが、実は彼女は…

遠くの空に消えた

行定勲監督のオリジナル作品。主演は神木隆之介、ささの友間、大後寿々花。 評価は散々みたいだけど、ちょっと面白かった。ただ、スクリーン効果はあるだろうな。DVDとかで観たら途中で観るのやめてたかもしれない。 よく言われているのは、場面場面で登場人…

天然コケッコー

くらもちふさこ原作、「ジョゼと虎と魚たち」の渡辺あや脚本、「リンダリンダリンダ」の山下敦弘監督の映画。主演は夏帆。 これは、今年一番の映画だ。とにかく、出演者の演技が自然すぎるのだ。よくぞこんな演技を引き出したなと敬服。 冒頭は夏帆のナレー…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

庵野秀明総監督のアニメ・新世紀エヴァンゲリオンの12年ぶりの新作。 自分は2年前に初めて観た、という、言ってみれば後追いのニワカなのだけれども、でもやっぱりエヴァは好きだー、と再実感した作品ではあります。映画が終わった瞬間周りがざわざわしはじ…

劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!

平成ライダーシリーズの映画化7本目、らしい。 ふと考えてみた。自分にとってまったく門外漢なものをいきなり見てみたらどんな反応が自分の中で起こるだろうか。自分にとって門外漢なものって何だ?それは特撮だ。そんなわけでぶらりと映画館に入ってみた。 …

アヒルと鴨のコインロッカー

(【注】一部ネタバレに繋がるためお気をつけてください) 原作を読んだ直後に映画を観るという経験は別格だった。記憶に新しい魅力的な登場人物が実際の役者の体を借りて動き回っていたのだから。 役者はどれもイメージに合っていた。松田龍平だけは少々齟…

キサラギ

この映画の宣伝文句では、ハートフル・ワンシチュエーション・サスペンスとか書かれてあって、どういうこっちゃと思っていた。 で、見て、なるほどと思ってしまった。 伏線が解消される瞬間の気持ちよさをこれ以上ないくらい味あわせてもらった。語るのが難…

図鑑に載ってない虫

三木聡監督、伊勢谷浩介、松尾スズキ、菊地凛子出演の映画。2007年公開。 笑いって共犯感覚なのだなと思った。これを見た日は映画の日(毎月1日)で席は満員に近かったのだけれど、笑いのポイントが各々で違ってるのがわかって面白かった。あるシーンで、三…

300(スリーハンドレッド)

スパルタ帝国の滅亡を描いたアクション映画。 うーん。苦手かもしれない。まずグロテスクな描写が受け付けないし、スパルタのためと繰り返す彼らの気持ちが理解できない。つくづく、自分には戦争ものは合わないのだなと思った。 評価は保留しときます。 300[…

アルゼンチンババア

よしもとばなな原作。堀北真希、役所広司、鈴木京香出演の作品。 個人的に、役所が茫然自失としながら夕暮れの草原を歩く場面、また、アルゼンチンババアの住まいの南米風内装などはよかった。役者さんでも岸部一徳や森下愛子はよかった。確かに全体を通して…

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

吉田大八監督。2007年。出演は佐藤江梨子、佐津川愛美、永瀬正敏、永作博美など。カンヌ映画祭新人週間出品。 内容は、全編を通してブラックユーモアにあふれてて、だけどサトエリ演じる女優目指しているバカ女をとりまく日常は、結構痛い所ついてくるなと思…

ボルベール<帰郷>

ペドロ・アルモドバル監督の「ボルベール<帰郷>」を観てきた。アドモドバル監督の作品を観るのは初めてで、勝手にタイトルとカンヌだのでの受賞暦から、きっと文芸的な作品なんだろうな。アンゲロプロスみたいな、なんて決めてかかって美しい映像に二時間…

転校生〜さよならあなた〜

評論家というのはかわいそうな者かもしれない。無論、評論家といっても色々種類はあるだろうし、その評論方法も一様ではないだろう。でも、多くの作品を見ていくうちに、自身にとって良い作品の基準というのが生まれてきて、それにとらわれてしまううちに、…

舞妓Haaaan!!!

監督水田伸生と脚本家宮藤官九郎が「ぼくの魔法使い」(2003)以来タッグを組んだ作品。 クドカン作品の特徴として語られやすいのが「男子校的ノリ」だと思うんだけど、それだけじゃない部分もあるんだよな。「ぼくの魔法使い」にも「舞妓」にも共通している出…

大日本人

松本人志の第一本目監督映画。批評の批評になってしまいそうだけど感想をば。 まず、とりあえず日本に生きている人なら松本がどういう人かはわかっているわけで、その時点でこの映画を公平に批評することは不可能になります。多分、批判したと言うフランスの…

どろろ

どろろを観てきた。制作費回収できるんだろうか・・・。他人事ながら心配だ。 きっとデートで来た人とか、妻夫木聡目当てで来た人とかポカーン状態だと思う。いや、妻夫木が今までで一番カッコよくみえる作品だとは思うのだけれど。 でも、こういう万人受け…

それでもボクはやってない

現代における痴漢冤罪問題についてリアリスティックに描いた周防正行監督11年ぶりの新作。 加瀬亮の低くて決して威圧的ではない、けどすごく真面目そうな声はこの映画にピッタリだ。この声がなかったら加瀬演じる金子に自分を照らし合わせる事もできないだろ…