OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

サンボマスター「サンボマスターは君に語りかける」

 何だろう、この聞き終わった後の感覚は。まるで、思いっきり泣いた後のようだ。
 巷で話題のサンボマスターをようやく聞けた。前作と方向は変わっていない。ただ、明らかに伝える力が増している。山口隆のボーカルスタイルはR&B系譜のシャウト中心で、決して聴きやすいものではない。けど、今作ではそのボーカルスタイルのおかげで、言葉のひとつひとつが届くという効果が生まれている。意外と叙情的なメロディーも、決してシャウトによって壊されてはいない。
 なんだかねえ、音楽を聴いているって気がしないんよ。それよりも冒頭であげたように、思いっきり泣いたり、怒ったり、笑ったりしながら気の知れた友達と討論を交わしている感じ。中学生のころから好きだった、イースタン・ユースにも、無意識的にそういったものを感じ取っていたのかなあ、って。よく考えれば、そういったイースタンやブッチャ−ズや怒髪天のポジションに立っている人たち(シャウト系でいわゆる生きるうえでのつらさのようなものを歌うバンド。僕は本当の意味でのエモコアと呼びたい)、いなかったなあって。銀杏BOYZは近いかもしれないけど、いわゆる青春寄りだし。ガガガSPは恋愛寄りだから。サンボマスターはしかも曲中のMCの味わいもあるからねえ。もっと、心をえぐるような雄たけびをこれからも期待しています。