OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

HALCALI「HALCALI BACON」ほか

 引越し記念シリーズ第六弾。ハルカリの2003年発表のファーストアルバム。この年の始めに聴いた「タンデム」で、何だこりゃあ!?って思ったんだよね。アイドルっぽいとは思ったけど、ヒップホップの取り入れ方が今までにない感じがしたし、それでいて、リップスライムメンバーの手も加わっていることもあってポップだしって、つまりはヒットチャートの上位に入るポテンシャルを持ちえていながらまったく新しい音楽であることに驚いたわけ。単純に聴いてて楽しいしね。基本的に捨て曲がないこのアルバムなんだけど、そん中でも一番好きなのが最後に入っている、HI-POSIのもりばやしみほ作詞作曲の「続・真夜中のグラウンド」。この時期から僕はパソコンに音楽を落として聴くようになったんだけど、やっぱり覚えたてってのもあってかこの時期に聞いてた曲が一番リピート回数多かった。これのほかにもHAWAIIAN 6の「MAGIC」とかGRAPEVINEの「会いに行く」とか。
 この三曲についてはどうしても語りたいので、ハルカリのレビューだけど少し脱線させてほしい。
 HAWAIIAN 6は帰郷しているときに、ケーブルテレビで流れているのを観たんだけど、これが良かった。もちろんグッドメロディだってのもあるけど、いっしょに歌詞が載ってて、それがほんとに心を打った。僕は一時期中3頃ハイスタなどメロコアばっかり聞いてた時期があるんだけど、その時期からきっと僕はグッドメロディとハートフルな歌詞に惹かれていたのだろう、無意識的にせよ。それを久々に思い起こさせてくれたのがこの曲だった。
 GRAPEVINEも帰郷しているときにPV付で聴いたんだけど、そのPVがドラマ仕立てだってこともあるかもしれないけど、なんだか月九に使われてもおかしくないなとか思ったわけ。バインはデビュー当時から聴いてて、ミスチルに比較されているのもわかってて少し歯がゆい思いをしてたんだけれど、この曲でミスチルのような大衆性をついに獲得したのかなあ、って。純粋に季節感あふれるアレンジもいいし、メロディも曲も良かった。秋にリリースされた「ぼくらなら」はさらにドラマに使われてそうな曲だった。さて、どんなアルバムが来るのかと思ったら、ヒットチャートからわざわざ遠ざかったような、どろどろのロックアルバムだった(好きだけど)。
 そして、やっと本題に戻るけどハルカリ。この曲が出たのがアルバム発売時期の九月なんだけど、思いっきり夏を感じさせるナンバーなんだよね。スペーシーなトラックが特に。で、歌詞も夏なんだけど、この歌詞の主人公は中学生か高校生(ひょっとすると小学生かも)で、それが少し背伸びしている感じが夏を感じさせた。多分に、これをもりばやしみほが唄ってもここまでの説得力はないと思う(僕はもりばやしさんはすぐれたヴォーカリストだと思うけど)。言い方は悪いが、ハルカリの歌唱力の拙さ(あるいは匿名性)が逆にこの曲にマッチしているのだから。この曲は十九歳以上の人にできれば聴いてほしい。聴けばおそらくあなたが子供のころよく言った公園や誰もいない学校が思い浮かぶだろう。この曲でハルカリは、だれでも通り過ぎてきた幼いころの夏のあなたを再現する役割を担っている。

ハルカリベーコン (CCCD)

ハルカリベーコン (CCCD)

 
ACROSS THE ENDING

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イデアの水槽

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