OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

大槻ケンヂ「グミ・チョコレート・パイン パイン編」

 音楽や小説などさまざまな分野で活躍中の大槻ケンヂの書く青春大河小説三部作の最終章。僕はこれを墓場まで持っていこうと思う。高校一年生のときに始めて読んだグミ編、チョコレート編はご都合主義な展開が気になるものの、全体的には僕のようなオタク系男子にはたまらない内容だった。ただ、チョコレート編のラストがかなり後味が悪かったので、早く続きが読みたいと思っていた。それから、僕は高校を卒業し大学へ入った。2004年の2月、たまたま寄った本屋にこの本は平積みされていた。即効で手にとって、うちに帰って読んだ。こんなことを考えた、
 主人公・ケンゾーにとって美甘子とは一人の女性としての憧れであると同時に、世界のすべてだ。男子にとって、好きな人が自分より優れているというのは、その人に度量がかなりないと、相当のダメージを受けることになる。ましてやその才能で世界を駆け抜けていく美甘子。ケンゾーにとっては世界に拒絶されたようにもなったことだろう。そしてダメージを受けたケンゾーはジーさんの修行を受け、美甘子の存在を尊敬すべき対象として、いつかは対等になるべく努力をすることに決まる。狭い世界に閉じこもっていたケンゾーは、自分の進むべき道を見つける。
 オレはダメだなーと思っているすべてのモンモン野郎にこの本を捧ぐ
 この本の最初に掲げられている献辞だ。最初読んだときはクサいと思ったけど、きっと本心からの言葉なのだ。
 犯罪を犯す前に「グミ・チョコレート・パイン」を百回読んでほしい。

グミ・チョコレート・パイン パイン編

グミ・チョコレート・パイン パイン編