OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

銀杏BOYZ 世界ツアー「太宰府行ってお参りして、親富孝通りで羽目外してってかー?」@福岡DRUM LOGOS  w/サンボマスター、水中、それは苦しい

銀杏BOYZサンボマスターの合同レコ発ライブに行ってきました。
ソウルミュージックのSEから一発目はサンボマスターだなと思ってたら、やっぱり一発目はサンボマスター。一曲目の「歌声よおこれ」からはじけてたね。それから、一曲ごとに文字通り弾き語りのMCをはさみながら、「青春狂騒曲」「美しき人間の日々」「夜が明けたら」「これで自由になったのだ」「あなたが人を裏切るのなら僕は誰かを殺してしまったさ」と人気の高いナンバーの連続。少しくだけたMCのあとには「想い出は夜汽車に乗って」「週末ソウル」としっとりとした演奏が続く。とくに、「週末ソウル」、この日は特別に「福岡ソウル」というタイトルで演奏されたんだけど、それこそライブハウスをダンスホールに変える名演だった。そして、「ふたり」と来て、「月に咲く花のようになるの」で終わった。全体的に、山口さんのMCが時折宗教的な雰囲気を醸し出していて、お客さんの全員がついてきてたのかなあ、というより僕自身もついていけるかどうかというところだった。ただ、それでも山口さんの必死でギターを掻き鳴らし歌い叫ぶ姿は心揺さぶられるし、リズム隊はファンキーだし、で、総じて見ると良いライブだった。
幕が閉じて、最近の日本のロックのSEが流れる。スパルタローカルズ岡村靖幸がかかっていたのが印象的だった。僕自身は、この時点では銀杏が来るものだと思っていたから、ミネタさんもこういうの好きなんだとうれしい気持ちになった。今日はポップ要素強めで行くのかななんて。
そして幕が開くと、中央に並んで立ったアコギを持ったネゴシックス似の男とバイオリンを持ったなんともいえない雰囲気の男、そう「水中、それは苦しい」だ。全体的に笑いの要素が強いMCを挟みながら、「ガッツいちもつ」「鹿の大群VS鹿」「カミングアウトの撤回」など、インパクトの強い曲を演奏。ラストは「ドラゴンボーイ」で締め。なんか、完全にライブ会場が出来上がってたせいで笑っちゃいけないみたいな雰囲気になってたのが残念。「鹿の大群VS鹿」なんて完全にお笑いだと思うんだけどなあ。
パンク、パワーポップのSEが流れ、客電が消える。歓声が起こると「大地讃頌」が流れる。そして、四人の登場。よく考えれば僕は銀杏BOYZの演奏シーンを見たことがなかった。きっとこういう感じなんだろうなあって考えてたのをはるかに上回るような、そんなオーラがステージ上に出来上がってた。一発目は「若者たち」。鬼気迫るミネタが最初から飛ばしてた。続いて「SKOOL KILL」「犬人間」「日本発狂」と行ったんだけど、ここでマイクが使えなくなるというアクシデントが起こり、取り替えてもらう。このときのミネタとローディーさんのやり取りが笑えた。そして、もう一回ブルーハーツ関連のMCをはさんで「日本発狂」やり直し。この辺で、ミネタが2回客席にダイブして、そのうち一回はちょうど僕の上に落ちてきた。痛かったけどうれしかった。それから、初めて作った曲だとエピソードを交えて「YOU & I V.S. THE WORLD」を演奏。サビの合唱が本当に会場が一体になった気がした。じつは順番をここから良く覚えてないんだけど、続けて「もしも君が泣くならば」「援助交際」「NO FUTURE, NO CRY」「駆け抜けて性春」、長いMCの後さらにミネタがギターを持って「BABY BABY」「銀河鉄道の夜」と演奏。この辺では、本当に素晴らしいメロディーに浸ることができた。まるで、ミネタがこの九州の地に東北の景色をもってきてくれたようだった。そして、ミネタがアコギに持ち替えて、またもや長いMCの後「東京」を演奏。この歌は正直スタイルとしてはロックよりもポップやフォークに近いと思うんだけど、それでもこの曲の言葉がびんびんに伝わってきて、会場のボルテージや銀杏4人のテンションは静かにラストに向けても盛り上がっていた。そして、ラスト「人間」。ミネタの弾き語りから入る。陳腐な表現になるかもしれないけど、MTVアンプラグドのときのカートコバーンをもう一度見たような状態だった。ミネタはかすれた声で燃え尽きようとしているんだけど、彼の向かう咆哮もとい方向は明らかに生に向かっているわけ。見苦しいほどに。なんだかミネタは僕らより百倍強くて百倍弱いような気がした。アコギを投げ捨てドロドロとした4人での演奏に入る。そこでのステージパフォーマンスはもう、ミネタを化け物に思わせるには十分だった。見開いた目は、一瞬目が合ったときには恐怖すら感じさせた。お客さんはみんな、すごいものを見たといった風情で呆然と立ち尽くしていた。もう歌えないんじゃないか。みんなそう思ったはずだ。アンコールをするのがこわかった。けど、4人はまた現れてくれたさ!ミネタはさっきの鬼気迫った感じはまったくなく、先に登場したチン中村やムライノボルのMCに対して駄目出しをしたり、サンボマスターを絶賛したり、アイドルについて語ったりしていた。リラックスしたムードで始まったのは「DOOR」のラストを飾る「なんとなく僕らは大人になるんだ」。やっぱこの曲だよなあと思いつつ一緒に歌ったんだけど、今までで一番言葉が突き刺さるようで、フォークのライブの雰囲気に完全になっていて、すごく良かった。
演奏を終えて4人が戻ろうとすると、サンボマスター水中、それは苦しいのメンバーが出てきて、全員で客席をバックに記念撮影をした。僕も、たぶん顔の端や腕くらいは写っていると思う。移ってたらいいなあ。6:00入場、7:00開演のライブ。終了時には10:45になっていた。
今回のライブは、大げさでなく「伝説のライブ」だと思う。三組ともおそらくは福岡初のライブだったんだけど、今一番熱いロックシーンの局面を見せつけるには十分だった。ミネタの、山口さんの、ジョニー大蔵大臣のMCを時々思い出しながら、俺も、ガンバレっ!

DOOR

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