OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

The ピーズ「クズんなってGO」

 ピーズ3枚目のアルバム。今までのロックンロール路線に比べると、この作品はオルガンを使ったりといった具合に少しだけ音楽的な実験もしている気はあるけど、基本構造はシンプルなロックンロール。
 初めて聞いたのは、順番は前後するが、大学に入ったときで、ちょうど失恋直後だった。だからってわけじゃないけど、「手をだせ」は手痛い曲だった。あまりこの辺は膨らましたくないが。
 このアルバムに漂うダメさは、それこそ大学生のものだなと思う。麻雀がキーワードに出てくる「平和」なんかにそれは顕著だ。もちろん初期からダメさ、トホホ感はあったんだけど、この作品から悲哀が混じってきた感はある。
 ピーズの曲でもしかすると一番好きなのかもしれないのが、「君は僕を好きかい」。確か今は亡き「インディーズマガジン」だったと思うけど、イノマーさんがこんなことを書いていた。はるは好きだといってもらえないとわかっているから君は僕を好きかいなんて歌って、死んじゃダメだとわかっているからシニタイヤツハシネなんて歌うんだって。
 この、ロックンロール路線から派生させたようなロッカバラードにオルガンの乗るナンバーは、スタイルこそアメリカのものを借りてはいるけど、ここにある感傷は確かに日本のもので、それもこの場末感はきっとある種の人には感じるものがあると思う。きっと、この曲から次作「とどめをハデにくれ」は生まれたのだろう。
 その他にも「ラブホ」のロックンロール最高な感じや、「クズんなってGO」の枯れた感じも良いです。

クズんなってGO

クズんなってGO