OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

CASCADE「コドモZ」

 ビジュアル系の異端児、カスケードが1999年に発表したアルバム。
 カスケードのポップセンスは最高。ニューウェーブからの影響が強く*1、ボーカルのタマの微妙に無機質な声はシンセサイザーで加工したようで、80年代のMTV時代のポップ(イメージだけど)を連想させます。詳しく走らないけれど、ムーンライダーズあたりの影響も受けているらしい。
 ちょっと前にはやった80年代リバイバルだけど、このカスケードってのは登場がちょっと早すぎたのかもしれません。90年代当時は80年代のものはダサいと一刀両断される時代でしたからね。ただ、それでも彼らのピコピコしたぶっ飛んだアレンジとか、ぶっ飛んだボーカルとか、ぶっ飛んだ曲は一部熱狂的なファンを生み出していたのですが。
 このアルバムは、すべて曲名がカタカナで、カスケードの無機質感、サイボーグっぽさが前面に出ています。ジャケットはハチの模型のアップ。音楽的には「ハレルヤ!アイノメガミ」のアフリカンビートから、「アザヤカナキセキ」の夕暮れチックな哀愁など、表現の幅は広いです。きっと、カステラ−CASCADESPARTA LOCALSという系譜があるような気がするのですよ。それだけです。
 とにかく、これは聞かず嫌いは損をする名盤だと思います。80年代ブームが落ち着いた今こそ聞いて、「80年代」「MTV」「NEW WAVE」の意味するところ、そしてその功を知ってほしいなんて、回し者でもないのに思ってしまう名盤でした。
82/100

コドモZ

コドモZ

*1:「FLOWERS OF ROMANCE」なんて曲もある