クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
2001年。日本
監督・脚本:原恵一
毎年公開されているクレヨンしんちゃんのアニメで、たぶん一番評価の高い作品。
僕はおそらくクレヨンしんちゃんの映画は「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」(1996)くらいまでは毎年見てたと思う。リアルに小学生だったし。それでも、内容をいまだに覚えているのは「クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝」(1994)と「クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」(1995)くらいだったんだけど。そういえば、雲黒斎のときは当時学校で「クレヨンしんちゃん」を見たっていうと苛められるから見たことを黙っていた記憶がある。
こんな具合に、いま高校生や大学生のひとにとっては「クレヨンしんちゃん」自体がノスタルジアになっているのだ。いつの間にかしんのすけよりみさえに歳は近くなっていた。けれど、そんな「クレヨンしんちゃん」が、「だれだって子供に戻りたいときはある」なんていう大人の弱音を否定したのが画期的だったのだと思う。それに、20世紀博の中に出てくる昭和30年代くらいの風景が否応なしに日本人の琴線を刺激するのは事実だと思うし。
ひろしの回想シーンはいいですね。きっと子供連れで映画を観に来ていた親は確実に泣いただろうな。喜国雅彦の漫画にもそういうネタがあったけど。
おそらくは、これを見た後「ALWAYS 三丁目の夕日」を見るのと、順番を逆にしてみるのとでは違うのだと思う。僕は、「ALWAYS」のほうも、ノスタルジアをテーマに娯楽作品として最高のものを作り上げたと思っているけど、これを見た後で見てたら感じ方も違っていたのだろう。だって、20世紀博そのものだもの。
おしむらくは、やっぱりクレヨンしんちゃんの絵柄だから、アクションシーンの迫力が欠けること。20世紀博内でカスカベ防衛隊が逃げるシーンみたいに、コミカルなのはいいんだけど。そういったシーンを見るたびに、同じ題材で実写でとってたらどうだったかなあなんて感じてならない。
それでも、「大人になりたい」と言った最後のしんのすけ
これ観た後気になって漫画版「クレヨンしんちゃん」の最新刊(ISBN:4575939854)を読んでみたんだけど、いい意味で変わっていなくて、けど流行りに飛びつくミーハーさが加わっていた気がした。「下妻物語」からのパロディがあったのがうれしかった。
82/100
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