木尾士目「四年生」
木尾士目の漫画。この漫画に関しては粗筋がはてなキーワードから除けるので一読を。
大学生のうちにダメ大学生漫画を読んでおこうと思った。この漫画を一言でいえば「痛々しい」。どうしても「ヤサシイワタシ」との比較になっちゃいそうだけど、無論「ヤサシイワタシ」あるいは同作者の「げんしけん」と本作の違いは、片方がサークルを舞台としているのに対し、片方、つまり本作が、ゼミ、それともひょっとするとどこも舞台にしていない、ということ。
サークルはある程度舞台にするには華やかだ。時代の閉塞性を表現するのに「サークル」のような閉じられた空間は最適だと思う。一方、ゼミはある程度社会に対して切り開かれているし、「四年生」の主人公も彼女のために髪を切って就活に望んだりとか、外部に向かう姿勢が見られる。けど、「サークル」系の漫画より閉塞性が感じられるのは何でだろう。
「ヤサシイワタシ」あたりが全体的に未来への暗さ(絶望)を感じさせつつも未来へ向かう可能性を感じさせるのに対し、こちらは現状への絶望の中での未来への微かな希望を描いているのだと思う。
50/100
- 作者: 木尾士目
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/05/20
- メディア: コミック
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