東京事変「大人(Adult)」(2006)
東京事変の2006年リリースのセカンドアルバム。俺、あまり「教育」いいアルバムだと思えなかったの。まず、全体的にちぐはぐな感じがしたし、メロディの質も下がっていると思ったから。バンドとしての椎名林檎とソロの椎名林檎のどっちつかずッていう印象も受けた。
けれど、このアルバムは間違いなく名盤だ。
まず、メロディの質が戻っている。「修羅場」を聞いたときイマイチかなと思ったけどそうじゃない。このアルバムの中で聴く「修羅場」はこのメロディしかないくらいに名曲だった。歌謡曲風というのを受け継ぎながらきちんと優れたポップスとして機能する林檎メロディの復活である。
それと、アレンジ。林檎は、バンドかソロのどっちに傾倒することもなく、おそらくは妥協することなく推し進めて、それでやっと形を作ったのだ。断片的な物語をつむぐような歌詞と、それを音で表現するための楽器、それでいてバンドサウンド、っていう難しい命題をやっと解いたのだ。
いろんなアレンジがあるけど一番驚いたのはラストの「手紙」って曲。久しく椎名林檎では聴くことができなかったビートルズ風のアレンジで、ビートルズの黒さを感じってブルースロックからハードロックに移行する歴史を描いたようなアレンジ。椎名林檎の歴史がかさなってある種の感動を呼ぶナンバーです。
86/100
- アーティスト: 東京事変
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: CD
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