OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ダン・ブラウン「ダヴィンチ・コード」

 今話題の本、遅ればせながら読了いたしました。
 ミステリーの感想文ってのは難しいのだけれども(トリックに触れるのが難しいからね)、とりあえず。感想は、まず暗号解読が肝なのですが、この暗号に関しては読者の考え・教養を超えたところにあるなと思って、むろんそれはそれで面白く書かれているのだけれども、純粋なミステリーではないなと思いました。ただ、ミステリーの本質が謎解きにあると考える立場に立てば、これは素晴らしいミステリーと呼べるでしょう。
「秘密結社」などトンデモ頻出キーワードが多用されているので、多少トンデモっぽい雰囲気がありながらも、不思議と説得力のある描かれ方をしていて、上質のエンターテイメントになっていたと思います。
 それと、宗教観について。なお、ぼくは徹底的な無宗教です。それで、これを読んで思ったのは、キリスト教も2000年の歴史があって今日の姿があるということで、黎明期にはやはりさまざまな(純粋な信仰以外の)力が働いたのだろうなということです。べつにそれでもキリスト教の現信者の考えは変わらないんじゃないかなとは思いましたが。それに、これ一冊しかキリスト教関連の本はまだ読んだことないので足場は非常におぼつかないのですが。
 多少ラストで大風呂敷をたたみきれなかった感があったのが残念。
69/100

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)