OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

王様のレストラン

脚本:三谷幸喜 演出:鈴木雅之河野圭太 音楽:服部隆之 プロデューサー:関口静夫
キャスト:松本幸四郎(千石武)、筒井道隆(原田禄郎)、山口智子(磯山しずか)、鈴木京香(三条政子)、西村雅彦(水原範朝)、小野武彦(梶原民夫)、梶原善(稲毛成志)、白井晃(大場金四郎)、伊藤俊人(和田一)、田口浩正畠山重忠)、杉本隆吾(佐々木教剛)、ジャッキー・ローロン(ドュヴィケ)、森本レオ(ナレーション)、金田明夫(第1話)、松本留美(第6話)、森廉(第6話)、六平直政(第6、7話)、村井国夫(第7話)、近藤芳正(第7話)、野中功(第7話)、藤村俊二(第8話)、橋幸夫(最終回)、服部幸應(最終回)、坂井宏之(最終回)、三谷幸喜(最終回)

 1995年の春クールにフジテレビで放映されていた三谷幸喜脚本のドラマ。
 内容は、範朝氏(西村雅彦)の経営するレストラン「La Belle Equipe」にある日変わった二人組みが来た。その若い方、禄郎(筒井道隆)は実は「La Belle Equipe」の先代のオーナーの息子で範伴とは腹違いの兄弟。威厳のあるほう・千石武(松本幸四郎)は先代のギャルソン。彼らは既に傾きかけていたこの店を立ち直らせることを目的にやってきたのだった。
 キャストのほとんどは三谷作品ではおなじみのひとたち。だけれども、これはすごいことだと思う。なぜかと言うと、だ。最近のドラマはジャニーズだのオスカーだの研音だのの芸能プロダクションのプロモーションの場としての働きが大きすぎて、したがって一人の主役を目立たせるためだけにドラマが存在しているような感じになる。だけれども、このドラマは「全員が主役」ということに主眼を置いたようで、名脇役として名を馳せる人たち、たとえば小野武彦梶原善などもメインになる回がある。これは現時点でおいても三谷ドラマでしか見られない状況である。
 そして、キャストがすべからくハマリ役である。あの荘厳な音楽に乗って「ベル・エキップ」のメンバーの写真が映るオープニングを見る度に、これ以外の配役は思いつかないなとなってしまう。
 題材もそうだ。このドラマがほとんど恋愛を主眼に置いていないというのもすごい。「人生で起こりうることはすべて皿の上でも起こりうる」。そんな感じでストーリーを主役に展開してく様子はいい。恋愛要素があまりないのも好印象。
 そしてなおかつ好視聴率だったのもすごい。まさに「奇跡」のドラマだ。
 ただ、正直後半に行くにつれて面白みが消えていったのも事実。第9話の範朝メインの回はちょっと納得いかない部分が残った。
 ただし、それでも第5話の「ベル・エキップ」のメンバーすべての力によって新メニューが誕生するドラマや、後に「有頂天ホテル」の役所広司エピソードへと繋がる第6話のしがらみを解決しつつも最後にうまく落とすドラマとかは魅力的だ。
 その三谷幸喜もここ数年は視聴率に苦戦してテレビドラマからは一歩引いたところにいるわけだけれども、こんな高品質のドラマをまた見たいなと思う、「王様のレストラン」放映後11年目の梅雨の時期なのでした。
78/100

王様のレストラン DVD-BOX La Belle Equipe

王様のレストラン DVD-BOX La Belle Equipe