OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

かもめ食堂

2006年。日本
スタッフ
原作:群ようこ 脚本・監督:荻上直子 エンディングテーマ:井上陽水
キャスト:小林聡美(サチエ) 片桐はいり(ミドリ) もたいまさこ(マサコ) マルック・ペルトラ(マッティ) ヤルッコ・ニエミ (トンミ)

 ほんっっっっとうに今更ですが、観てきました。
 観終わった後に観客の一人が「幸せな気持ちになった」って言ってるのを聞いてぼくもだよと言いそうになったり。
 群ようこさんの作品の実写化って多分初めてだと思うんだけど、群ようこ作品には小林聡美がこれ以上ないくらいぴったりはまる気がする。
 とにかく映画の中で時間がゆったり流れて、事件らしい事件も起こらずただ過ぎていって、いい感じで余韻を残して終わる。
 個人的感想でいえば、この映画を「ゆっくりしすぎてつまらん」なんて言う奴とは友達になれない。かといってずっとこの世界に浸っていることが正解とも思わないけど。
 フィンランドって白夜だから夜がないのか。夜がない世界だけど、たまに映る港は曇っていたりして、けっして明るいばかりじゃない。けど、このかもめ食堂の中にはずっと光が差し込んでいる。
 小林聡美さんの配役って、相手に対し丁寧語を使っている役柄が多い気がする。けどその丁寧語は距離をとるためじゃなくて近づけるためのものの容易な気がする。
 日曜日の昼間くらいに観て、見終わったころにはとっぷり陽が傾いていて、帰りに八百屋さんと魚屋さんとお豆腐やさんに寄って帰ろう、今日は作るか。そんな気持ちになる作品。ずっと名作として語り継がれてほしい。
 ひとつだけ文句があるとするならば、かもめ食堂が満員になったよとサチエがプールで言って、周りのみんなが拍手するシーン。なんか宗教っぽくて嫌だった。それ以外は完璧。





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