レイクサイド・マーダーケース
日本 2005年
監督・脚本:青山真治 原作:東野圭吾『レイクサイド』(実業之日本社) 脚本:深沢正樹
出演:役所広司 薬師丸ひろ子 柄本明 鶴見辰吾 杉田かおる 黒田福美 眞野裕子 豊川悦司
中学受験への疑問と、謎の殺人事件の顛末を描くミステリー映画。原作は東野圭吾。
ぼくは最初原作東野と知らずに見始めたのだけれど、柄本明の演じるキャラクターが東野っぽいなと思ったら、やっぱりそうだったという感じ。この柄本さんのキャラ、怖すぎ。淡々と死体の処理について指示を出すシーンの感情を込めてない演技はオカルト。途中まではラストはトヨエツが探偵になるのかなと思った。
それと、役所広司さんの、誠実さとダメさを併せ持った演技は素晴らしかった。
他にも薬師丸ひろ子さんなんかはうまいと思うけれど、全体を通して、あまり見所がないのも事実。
先ほど書いた、柄本明さんの演じるキャラは東野作品にはよく出てくるのだけれど、その冷徹さがあまりにも現実離れしていて、文字で読むならともかく実写で見ると怖さと不快感しか感じられなかったりするんだよなあ*1。
それに、役所が言っていた受験勉強・競争社会への問題提起がはぐらかされてないか?個人的に役所の考えに意を同すること大だっただけに、ね。それが、親は子が間違ったことをしてようが子が少しでもいい将来を過ごせるようにするはずだ、という結論に達するのは、どうだろうか?
ラストはこれから隠蔽された事実が再びベールを脱ぐことを連想させて終わっている。確かに、おそらくは義憤あふれたジャーナリストがあのままで終わったら、あまりにもやるせないからな。けどそうなると、一番かわいそうなのは役所だ。
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