OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

運命じゃない人

日本 2005年
キャスト(役名):中村靖日(宮田武) 霧島れいか(桑田真紀) 山中聡(神田勇介) 山下規介(浅井志信) 板谷由夏(倉田あゆみ) 眞島英和(梶徹也) 近松仁(丸尾誠二) 杉内貴(藤本清) 北野恒安(山内茂) 法福法彦(高木拓哉)
監督・脚本:内田けんじ 製作:矢内廣 中村雅哉 児玉守弘 黒坂修 高野力 プロデューサー:天野真弓 撮影:井上恵一郎 音楽:石橋光晴

 これは日本の「パルプフィクション」じゃないのか?
 それは言い過ぎかもしれないけど、それと同じくらい高品質の脚本だと思う。
 どういう脚本家って言うと、ひとりの登場人物にスポットライトを当てて物語を展開して、また別の場面ではその時間に別の登場人物がどこにいて、その人物がこうしたからその物語はこう進んでたんだと明らかになるようなしくみ。ね、「パルプフィクション」でしょ。
 タランティーノ監督の「パルプフィクション」との大きな違いは、タランティーノ作品の場合は、監督自身の趣味を示すような引用があちこちに見られたのに対して、この作品ではほとんどそれが見られなかったこと。
 それゆえに、脚本・ストーリーの流れのよさが際立つ。無駄なところが一切ない。しかも根底には勧善懲悪の思いがあって、見終わった後は爽快感が残る。こういう作品がもっと増えてくれたらいいのに。「サマータイムマシーンブルース」とか「THE 有頂天ホテル」が近いかもしれない。
 役者はスター性のある人はいないし、撮影技法だって目新しいことなんて何もやってない。けどおもしろい。

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