CASSHERN
プロモーションビデオ出身の紀里谷和明の初監督映画。2004年公開。
断言するけど、あと5年経ったらこの映画の評判はもの凄いあがっていると思う。けど、それはこの映画が名作だという意味ではない。評価が上がったとしても、新しい映画マニアがこの作品を観て「どこが名作なの?」というような、そんな微妙な立ち居地にいると思う。
けど、なぜそんなことを思ったのかと言うと、確かにつまらないのだけれど、どこか気になるところが残ったからだ。
欠点はいくらでも挙げられる。ストーリーが理解しづらい。脇を固める役者はいいのに主演の伊勢谷がまずい。その中でももっとも致命的なのは、全体を通して書き割りみたいな場面に違和感が残る、ということだ。
だけど、こういう特徴を持った作品って、わからないがゆえに好事家は創造力を膨らまして作品に意味をつけようとする傾向がある。幸いにも、というかこの映画にはメッセージらしきものが随所から感じられるし。
それに、ラストの8mmで映される家族の風景。宇多田ヒカルの「誰かの願いがかなうころ」に乗せて映されるこの画面の美しさは格別だし、少なくともこういう場面が撮れるのはきっと才能があるのだと思う。宇多田ヒカルのクリップはどれも出来は悪くないし。
だから、今後この低評価にも負けずいい原作と脚本家がつけば、日本映画史に残る傑作が生まれるのではないかな〜、なんて考えてみる。
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