エレファント
ガス・ヴァン・サントの映画。コロンバイン事件の影響を受けているとされている。
正直に言えば中二病っぽいというか、どことなく同性愛っぽさをかもし出させる主犯の2人とか、DQNっぽい女の子3人組が個室トイレで食べたものをもどす場面とか、いかにも病んでますよーってのを出している感じがして、少しそこが浅い気もするのだけれど、でも技術的な物では申し分ない。
事件に携わった一人一人のストーリーをワンシーンワンカットで描いている。長回しというのは役者の表情をダイレクトに伝える分、演技力が乏しい人にとっては悲惨なことになりかねないのだけれど、どことなくドキュメンタリーっぽいタッチで描かれているためその条件もクリアされていて(実際に役者には初演技という人も多いらしい)、淡々と進む。思春期の心の揺れと長回しというのは非常に相性がいいように思う。
あと色使い。全体を通して黄色い印象が強い。枯葉散る秋のシーンから始まるのだけれど、考えてみればアメリカでは秋は新学期で、はじまりの季節という意味があるのかもしれない。自分たち日本人にとっては終わりが始まるような季節という印象があるが、その齟齬がまたこの映画の切なさを増しているような気がする。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/12/03
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 104回
- この商品を含むブログ (410件) を見る