六道神士「エクセル・サーガ」
六道神士がヤングキング誌上にて10年にわたって展開している美少女ギャグマンガ?現在まで18巻刊行。
最近、この作品に異常に嵌っていて、とりあえずコミックは短期間で揃えた。アニメもとりあえずネット上で見れる範囲は見て、レンタルビデオで探しては見たが無く、ようやくのことでレンタル落ちの2巻を購入してエンドレスリピートしている。例のOPは嵌る。
さて、なんでこれだけはまるのだろう。というより、この世界観はなぜこうまで心地よいのだろうと考えてみた。
近年ケロ○、絶○先生、らき○すたなど、パロディがほとんど主体といってもいいような作品は増えた、というよりもはやひとつのジャンルを形成したといってもいいと思うのだけれど、この作品がかなりの早い時期に出ていたというのは、かなり重要なことではないのだろうか。この漫画周辺が盛り上がったのって、アニメ化された前後、90年代の終わりくらいだと思う(自分は原作もアニメも好きです)。F県F市を舞台にして、市街征服を目指す組織アクロス、その総帥イルパラッツォ、そしてその構成員エクセルとハイアットVSなぞの権力者蒲腐博士と、地方公務員4人というのが、この作品のベースのなる対立図式。無論、この図式が完成するまでに幾分時間はかかっているのだけれど。
イルパラッツォによって毎度毎度落とされるエクセル、血を吐いて倒れるハイアット、食われるのを恐れるメンチ、F県F市ローカルネタ、一般人カルテットのぼやきなど、それらが交互に組み合わさって展開していってたのが、この作品のギャグの構造(という名のお約束)だったと思うのですね。それは、8巻よりアクロスに加わってきたエルガーラの加入でも(基本的には)揺るがなかったのだけれど、13巻を境に変わってきた気がする。蒲腐側にかかわってくるアンドロイド六本松の製作者四王子博士の周辺が描かれだした時期なのだけれど、この辺から笑いの量が明らかに減っている。その後、エクセルが行方不明になり、アクロスに戻ってくるも以前とは変わった様子を見せる、しかし一方では記憶をなくしたまま四王子の従兄弟、連歌屋宇美の元にかくまわれているエクセルも存在し、といった具合に、すべてを知っているのは読者だけという展開を現在では見せている。後追いでコミックス派のぼくとしてはそこまで悪いとも思わず、特に宇美とエクセルの場面などその記憶をなくしたというシチュエーションのもたらす儚さから、もしこれエクセルサーガじゃなかったらもっと評判いいんじゃないだろうなと思わせるのだけれども、初期のギャグ炸裂具合を知っているからには、少々の物足りなさが残る。
月間連載の上、展開は最近かなり遅いのでコミックスで読む方がいいかもしれません。
- 作者: 六道神士
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2007/07/30
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