OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ALWAYS 続・三丁目の夕日

 2005年に公開された50年代郷愁映画の続編。監督は山崎貴
 前作はかなり面白かった。ロクちゃんエピソードなんて泣かせにかかっているのがわかるのに、すんなり涙が出てきてしまうほどだった。
 そして今作も、面白さはだいぶ引き継がれていたと思う。堀北真希はロクちゃん役が一番輝いて見える。堤真一もいいし、吉岡秀隆は決してうまい役者じゃないんだけれど、すごく「心」が入った演技だった。泣かせてもらった。
 それで、自分の泣きの傾向として、「笑い」によりリラックスさせたところで「温かみ」を持ち出す、なんてのに弱いんだろうな。この映画のよいところっていうのは、「笑い」でバランスをとっているところだ。もたいまさこ浅利陽介の掛け合いが特に気に入った。
 ただ、この映画はいくつかのエピソードが並行して進められるのだけれど、狂犬病のエピソードとか、はとこの子が実家に戻されるエピソードとかが、他のエピソードとの間に挟まれてたせいで観客に忘れられて、効果が半減していたのが残念だった。「天然コケッコ−」みたいに、もっと個々のエピソードだけ切り取って完全なオムニバス映画にしていてもよかった気がする。構成に難ありといったところか。
 けど、素直に面白かったと思います。正直、「オトナ帝国の野望」を観た人間としてはこの手のノスタルジーに浸ることをよしとするか否かについては考えてしまうのだけれど、そもそも映画をはじめとする娯楽は一種の現実逃避であり、日常における清涼剤でもあるわけだから。むしろノスタルジーをうまい具合に味あわせてくれることを名作の基準にしてもいいのではとおもうくらいだ。
 ただ、「あのころはよかった」なんていうプロパガンダになってしまうと、その作品の価値は激減するが。一種の押し付けがましさは確かに感じるものの、プロパガンダにはならずにすんでいるのが、この作品を「娯楽作」にとどめている一因なのだろう。