田中ユタカ「初夜2」
久しぶりの更新レビューがエロ漫画というのもなんともね。
初体験漫画家として名を馳せる田中ユタカが2001年に発表した短編集です。竹書房から1997年に出た「初夜―ヴァージン・ナイト (竹書房漫画文庫―ドキドキシリーズ)」と話のつながりはないものの、続編的というか兄弟的というか、そのような性格を持った作品です。ちなみに「初夜」のほうは30万部売れた、おそらく日本一売れたエロ漫画らしいです。だからいまさら僕が紹介するようなこともないのでしょうけどね。
正直言って紹介するのは小恥ずかしいところはあります。内容は、ラブラブな二人が結ばれるっていうそれだけの内容なので。この人の作品を読んだら、あー高校時代にこんな恋愛がしたかったとか思わせられるところがあって、24歳の俺には少々読んでいてほろ苦いです。
ただ、女性蔑視ととられかねないですが、やっぱりオトコ的に見れば田中ユタカ作品に出てくる女性は理想なんですよね。そりゃオトコのモーソーで作られた都合のいい女性像かもしれない。だけど、田中ユタカの描く女性はたまらなくいとしい。
思うに、近年ハーレム漫画や萌え漫画ってはやっていますけど、その中でもかなり支持の強い形式が「強い女性が弱い男性を守る」というものなんですよね。オトコとして、まあ、仕方ないかなという気もするのですが、そのどれもが、田中ユタカのもつ説得力に勝っていないように思われます。
ふんわりとした線で描く表情豊かなちょいロリ入った女の子、それが田中ユタカの絵の特徴と思われます。男のほうも線の細い一人称が「ボク」の優男が多いため、前述のような「強い女性に守られる」ような男性像の一部としてとられられるとおもいます。それでも、ハーレム漫画をあまり受け付けない僕がこの作品を支持できるのは、どのキャラも相手に対して純情だからなのだろうし、その「なぜ愛しているか」の説得力も、ほかの作品同様特に説明がないにもかかわらず、キャラの表情などが最高の説得力を持っているからなのだと思われます。
そして、これは確かに「使える」。それも保障します。
- 作者: 田中ユタカ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2001/06
- メディア: コミック
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