OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

先週の読書記録

2009年2月16日 - 2009年2月22日の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2938ページ

隊商―キャラバン (岩波少年文庫 (2081))■隊商―キャラバン (岩波少年文庫 (2081))
19世紀に夭折したドイツ人作家の手による児童文学。アラビアンナイトの影響も感じた。粗筋は、キャラバンに向かう商人たちのもとへひとりの男が現れる。一緒に旅をする中で商人たちは退屈しのぎに話をし始めるが……という、物語の中の物語という構造。一つ一つの物語が面白いのは勿論だけど、その物語同士の結びつきが興味深い。
読了日:02月22日 著者:ハウフ
http://book.akahoshitakuya.com/b/400112081X


肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)
成人向けゲームの「AIR」を思い出した私は異端だろうか。ジュブナイルだけどアオバエや蜘蛛が出てくるところ、決して綺麗なだけな話じゃない。あかちゃんやスケリグやミナやフクロウの周りに付き纏う死のにおい、それを子どもの視点で非常にリアルに描いていると思います。
読了日:02月21日 著者:デイヴィッド アーモンド
http://book.akahoshitakuya.com/b/4488543022


電話男 (ハルキ文庫)■電話男 (ハルキ文庫)
何はおいても「電話男」。これは今こそ読まれる作品。コミュニケーションを純化したような存在の電話男。これは現代におけるインターネットの登場を予言している!なんて100万回言われてきたかもしれないけど、20年前の小説とは思えないくらい先鋭的だった。ブログのような文体も含めて。「迷宮生活」では脳内こそが不可解なものと捉えていて興味深い。北野武の映画を連想した。
読了日:02月21日 著者:小林 恭二
http://book.akahoshitakuya.com/b/4894567059


占星術殺人事件 (講談社文庫)占星術殺人事件 (講談社文庫)
新本格ミステリーを読んだのは初めてかも。ただ、既に生まれた頃には新本格が存在していた身からすると、主観的には古典になってしまうのだが。とにかく御手洗潔のキャラクターが魅力的。彼のように生きられたらと思うけど難しいのだろうな…。全体を通して昭和の匂いを感じた。島田荘司流の昭和へのレクイエムなのかも。
読了日:02月20日 著者:島田 荘司
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061833715


退出ゲーム■退出ゲーム
面白かったー。米澤穗信やハルヒが好きな人なら絶対これも好きでしょ。痒いところに手が届くような教養の引用も素晴らしかった。主役2人は勿論、脇役に至るまでキャラクターが魅力的。続編を匂わす終わり方なので楽しみ。
読了日:02月19日 著者:初野 晴
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048738984


ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))
今更読んだ。1998年開始。因みにこの年、フルメタも始まっている。ラノベ史に残る作品ではあるけれど、これ相当鬼っ子じゃないのか?ラノベにありがちな細に入ったキャラクターの描写もないし、漫画的なキャラクターもいない。今の目から見ればブギーポップマンティコアも地味だ。だが、学校という空間の閉塞感をこれほどうまく表現した作品もちょっとないと思う。小野不由美の「屍鬼」を連想した。これもまた、日本的な閉鎖性と侵食される空間の物語。
読了日:02月18日 著者:上遠野 浩平,緒方 剛志
http://book.akahoshitakuya.com/b/4840208042


私の奴隷になりなさい (角川文庫)私の奴隷になりなさい (角川文庫)
えっと、女性が目にする可能性のあるところで書くの憚られる内容ですけど、この表紙の大沢佑香さんって本書に書かれていることなんて序の口みたいな人なんですよね。だからそこまで過激に思わなかったというか…。あといわゆる「親殺し」の構図をとるのかなと思ったらそうならなかったのもSM小説ということを考えると興味深いというか…。にしても官能小説の感想って書きづらい。それでも書こうとしているところ、私も読書の奴隷なのかもしれない。
読了日:02月18日 著者:サタミ シュウ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4043868014


決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)■決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
キューブリックの映画はまったく理解できなかったけどいつまでもしこりのようなものが残っていた。今回改めてクラークの原作を読み、その「しこり」の正体はクラーク小説のスケールのでかさの一部ではないかと思った。原作を読んでも理解できたわけではないし、「幼年期の終わり」同様、寂寞感残す締めだけれど、こちらの方が謎を残している印象。この残し方が絶妙で。
読了日:02月17日 著者:アーサー・C. クラーク
http://book.akahoshitakuya.com/b/415011000X


ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)
他の方々も書かれている通り、様々なジャンルが入り乱れる作品。書き出しを読んで英文学の蘊蓄たっぷりのミステリーでいくのかなあと思ったら、まさか多元宇宙SFにまで展開するとは…。全体を通してはタランティーノの映画のような小気味の良さがあって飽きさせない。てかマジでタランティーノが映画化してくれないかな…。ラストのジョンが格好よくて格好よくて。
読了日:02月17日 著者:ジョー ホールドマン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150116997


TAP (奇想コレクション)■TAP (奇想コレクション) (奇想コレクション)
初イーガン。不釣合いというのはわかっているが、頭の中で世にも奇妙な物語のあの音楽がなぜか鳴り止まなかった。はっきりとしたテーマと、テリブルなオチがつくところがそう感じるのかしらん。「視覚」なんて是非映像で見たい。
読了日:02月16日 著者:グレッグ イーガン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4309622038


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