水城せとな「失恋ショコラティエ」
「2次元はアート。アートは人生を彩る大切な花。
でも恋はアートじゃない。人生そのもの。
過酷でドロドロに汚れるものだ。」
恋愛を題材にした作品を読んでいて時々思うことは、
これ結局「偶然」がなきゃうまくいかなかったんじゃない?
ということだ。
筆者が2巻のあとがきに書いてあるように、「人は、現実にはない(実現するのはとても難しい)ものを、漫画に求める」。
「男性が読む漫画には『限りなく強くなり続けること・いつまでも成長し続けること。』が求められ、女性が読む漫画には『唯一無二の運命の相手がいること・何があっても変わりない愛を誓いあえる相手がいること』が求められる」ように。
さて、この漫画に「偶然」はない。
脈のない相手が何もせずに振り向いてくれるなんてことはありえない、ひょっとしたら一生振り向かないかもしれない、ということは承知の上で、登場人物は行動している。
多分作者はいわゆるモテ本(「女の口説き方」とかあの辺の本)を参考にしているんだろうなと思う。
で、そういった本に「1人の人に片思いし続けても無駄だ。女なんて星の数ほどいる」というアドバイスは付き物だ。
だけど、きっと作者はそれもさびしいと思っているのだろう。
リアルに即しながらも、そのファンタジーの部分を捨ててないから、面白く読めるし、行方が気になるのだろう。
説得力のある結果を、期待しています。
ところで一説によるとチョコレートは官能性を引き出す食べ物らしい。
- 作者: 水城せとな
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/09
- メディア: コミック
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