僕の彼女はサイボーグ('08/クァク・ジェヨン)
「彼女」シリーズで有名なクァク・ジェヨン監督の作品。
乱暴に説明すると「ドラえもん≒綾瀬はるか」。
やっぱり「彼女」シリーズだと『猟奇的な彼女』が一番かな・・・。
一番気になったのは、SFとして結構設定に矛盾があるところ。
タイムパラドックス的に大丈夫なの?みたいな感じがした。
あと、これジローの成長物語としてはどうなんだろう?
「彼女」シリーズのフォーマットとしてヘタレな「僕」と振り回す「彼女」っていうのがあって、それでも『猟奇的な彼女』のキョヌは少しは成長した跡が見られたんだけれども、これにはあまり見られなかったかな。
「彼女」に勝手に嫉妬して追い出して、それを自己反省して、それでも大地震の際に身を呈して救ってくれた「彼女」。
そして61年かけて「彼女」を復元し、それが後の物語に影響していくんだけれど、ここで年老いた姿がなんだか過去にとらわれすぎているようで、ちょっと受け入れられなかった。
その後の展開として、さらにそこから未来の22世紀に「彼女」とよく似た容姿を持った女の子がオークションで寿命を終えたサイボーグの「彼女」を競り落とし、その記憶を持って21世紀のジロー(映画冒頭のシーン)に会いに行く。さらに、震災で「彼女」を失い悲観にくれているところのジローに会って一緒に生きようと決めるところで終わっている。
いや、ここで歴史変えたらあなた消えちゃうんじゃない?っていうのが一つのツッコミどころ。
それに、未来の世界を捨てて21世紀に生きるってそうとう重要な時効なのに、あんなあっさり決めてもいいのという気にもなるし。
あと、それが本当にジローのためになるのかなあ、って気もする。
この映画のラストシーンでしめされているところでは、どう作用するかわからないけれど、それがもやっとした感じで残った。
ただ、綾瀬はるかは最高。