冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(★★★★★)
ジョニー=トー監督のハードボイルドな映画。
大筋は復讐劇。最初の数分は、どこかでみたような展開と、ギャグのような展開の速さに「またタランティーノのエピゴーネンか」と思った。
しかし、物語が進むにつれて引き込まれていった。個人的にはタランティーノより好き。
どこに引き込まれたかと言うと、その理由は3つある。
まず映像が繊細で綺麗なこと。暴力的なシーンは多いのだけれどうまくマッチしてた。
あと、これが重要なのだけれど、娘を殺された父親・コステロが殺し屋に復讐を頼む場面から、犯行現場でのやりとりまでの間にコステロと殺し屋3人組の間に友情が芽生えてくる、その過程がすんなり入っていけたこと。
この物語の軸は「復讐」にある。殺し屋3人組が「復讐」に加担する理由はコステロが大金を報酬にしたからではなく全財産を投げうって依頼したからであり、一度とある理由でその依頼が無意味になりそうになった時に殺し屋3人組が依頼を遂行しようとする理由は、彼らの間に友情が存在していたからだ。
彼らの間の友情がすなわち「復讐」を進める原動力となり、物語は進んでいく。
決してスマートな設定とはいえないし、若干荒唐無稽なところもある。
しかし、いや、だからこそ終盤の展開に僕らは主人公に感情移入して、ハラハラドキドキしながら観ることができたのだと感じた。
そして3つ目。とにかく理屈抜きでカッコいいところ。
あの写真の渡し方マネしたい!殺し屋3人組のキャラ立ち過ぎ!コステロもカッコいい!
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