ツーリスト(★☆☆☆☆)
2011/3/27鑑賞
@シネマQ
※ネタバレ含む
ツーリストはとにかくオチがひどい。
何がひどいって、それまで積み上げてきたものを台無しにしているからね。
とどめに、この監督さんが『善き人のためのソナタ』で築きあげた評価まで台無しにしたって言ってもいいくらいだ。
早い話が、この映画、ある女性諜報員・エリーゼ(アンジェリーナ・ジョリー)の逃避行(?)に巻き込まれた男・フランク(ジョニー・デップ)の珍道中という形式をとっていて、エリーゼには組織から大金を持ち逃げしたアレクサンダーという恋人がいるのだけど・・・、という話。
で、ひどいネタバレすると、フランク=アレクサンダー。
まず、構成として、フランク≠アレクサンダーをあれほど念押しに主張しているように見えるから、悪い意味で裏切られた印象が強い。
それにさ、別に隠しておく必要とかないんだよな。
あれほど客席から失笑が漏れた、微妙な空気はひさびさに味わった。
それにさ、この映画は裏テーマとして「恋愛格差の克服」があると思った。
アンジェリーナ・ジョリーが登場した瞬間から画面が一気に華やかになる。
これだけの美貌を持っているのだから、つま先の一挙一動に至るまで自信が満ち溢れている。
そのアンジェリーナ・ジョリーの物語に巻き込まれる形となったジョニー・デップ。
ジョニー・デップは普段の雰囲気を抑え冴えない男を見事演じていると思う。
アンジェリーナ・ジョリーって、ここでの少しの会話を見る限りで、お高くとまっていけすかない感じがするが、「クゥーッ、悔しいけど可愛いぜ」みたいな女じゃない?
このアンジェリーナ・ジョリーと対等につきあえる男ってどんな奴か、気になるでしょ?
そして、二人で冒険を繰り広げていくうちに、デップも強くなって、彼女に見合う男になりました。
そういう構成に、すくなくとも終盤に至る展開は見えたわけ。
別にここで気をてらわなくてもいいじゃん。
アレクサンダーは別にいて、すでに金を持ち逃げしていたけれど、アレクサンダーは犯罪者としては一流だったかもしれないが、ひどい男だったけれども、愛した女を命懸けで守る男に出会えて、アンジェリーナ・ジョリーもこの冒険(=ロマンス)で成長しました、、みたいな正統派のストーリーで別にかまわないでしょ。
これだけ期待させておいてこれだったら、ちょっと許せないな。
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