OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ドクター・フィールグッド -オイル・シティ・コンフィデンシャル-(★★★☆☆)

2011/12/24鑑賞

桜坂劇場



 なぜクリスマスイブにこの映画を観に行ったかというと、タマフル用語でいうところの「打ちにいく」状態に近い。

 僕の敬愛する日本のロックバンドにThe ピーズというバンドがいて、「クリスマス」という曲を唄っている。活動休止前の曲だが、音源化は2005年の活動休止後に。初期の具体的なテーマを取り扱う感じに似ていながらも、背負っているものはあきらかに活動休止直前期の重い内省が入っており、奇妙な感触を残す曲になっている。

 また、The ピーズにはDR.フィールグッドの中心人物の名前から曲名を拝借した「ブリロー」という曲もあるので、いつか聴いて観たいと思っていた。

 

 まず、音楽は本当にいい。The ピーズthee michelle gun elephantに影響を与えたというスタイルは最高にいやらしくて激しくて素敵だった。

 あと、構成として、明らかにドクター・フィールグッドの曲からインスピレーションを得たと思われるイメージ映像を挟み込んでいるのが不思議だと思った。それはPVのようにも観えるし、時にはギャング映画やスパイ映画を模したと思われるシーンもあり、ドクター・フィールグッドの楽曲と映画との相性の良さを示しているようにも思えた。



 いささか説明不足な点もあり入門編としては少し難しいように感じた。

 それでも、バンド終末期のマジックが溶けたようなどうしようもない感じ。バンドが成り立っていたのはブリローのカリスマとウィルコのソングライティングによるものなのに、その二人が才能にあふれているがゆえの自我の強さから衝突し立ちいかなくなる。それは若さゆえのあやまちかもしれなくて、歳を重ねれば何事もなかったかのように再結成ができるかもしれなかったのに、ブリローの死によりそれが永遠に出来なくなってしまった事に対する無念感などがありありと伝わってきた。