OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

リアル・スティール(★★★★★)

2012/1/2鑑賞

@シネマQ



 ひとまず年をまたいで劇場鑑賞した2011年の映画は2012年新作として、DVD鑑賞した映画は旧作として取り扱いたいと思います。



 ロボットによる格闘技「リアル・スティール」が隆盛を極める近未来において、再起をかける元ボクサー・チャーリー(ヒュー・ジャックマン)と、彼がかつて棄てた子供・マックス(ダコタ・ゴヨ)、そしてマックスが廃品処理場で拾った旧世代型ロボット・ATOMとの交流を描く。

 実にアメリカ映画らしい作品だと思いました。ところどころで古き良きSFらしさを感じると思ったら原作もSFの古典らしく、読んでみたいと思いました。



 とにかく、最初っから最後まで手に汗を握るエンターテイメント!一緒に行った連れはバトルシーンになると手を組み合わせて祈り、ATOMが反撃を食らわせたシーンではガッツポーズをするなど本当にのめり込んでいた。

 これはもうマックスの演技とATOMの設定による効用が大きい。



 まず、マックスの子。もちろんこの映画内に出てくるロボットたちの魅力的なことといったらないんだけれども、ATOMを廃品処理場から掘り出す際のいじましさ、初めてリアル・スティールの会場に行ったときの本当にうれしそうな感じ、どれも本当に素晴らしい表情で、この子には勝ってほしいと思わせられる。

 ちなみに、マックスの言動がストーリーが進むにつれどんどんチャーリーに似てきているのもポイントだと思う。この物語の根底にある、元からあるものの価値に気付くことの大切さというテーマにぴったり寄り添っているのだから。彼は決してチャーリーに感化されたわけではなく、自分の中の資質に気づいていったにすぎない。

 そして、ATOMの動きの素晴らしさといったらずっと観ていたいほど! おそらく、リアル・スティールに参加するロボットの動きは実際の人間の動きを元にしているとは思うのだけれども、特にATOMのそれは、例えばマックスのする動きをいちいちマネしたり、それが時にコメディ要素に転じたりするのだけれども、こういった動作の積み重ねが僕たち観客にアタッチメントを想起させる役割を果たしているのだと思う。ああ、もう、ATOM萌え〜!(言ってみたいだけ)



 こういった要素の積み重ねが、ラストのバトルで観客を単に観客というだけでなく、実際にその場で応援しているような気持ちにさせるのだろう。




 元男子としては、ラストのバトルでみせたチャーリーの本当に楽しそうな様子を観るだけでもグッとくるものがある!あそこが本当のクライマックスだ!


 欲を言えば、こういった負け犬再起スポーツものの映画としてはだんだん勝ちあがっていく中でファイティングスタイルが確立していく様を描くことがすごく観客の気持ちを高揚させるので、もっといろんなロボットと戦うシーンがあってもよかったかなと思う。



 ともかく、純粋に面白い映画!