OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

愛のメモリー(’76/ブライアン・デ・パルマ)(★★★★★)

2012/2/8鑑賞

DVD



 ブライアン・デ・パルマ監督作品。



 ヒッチコックの『めまい』(’58)を下敷きにしており、非常にメランコリックな印象を受けた。

 全体的に、映像がソフトな印象を受ける。だから、このどうしても松崎しげるを連想させる邦題もマチガイじゃないんじゃないかと思う。



 内容は、誘拐事件に巻き込まれて妻と子を亡くした会社社長・マイケル(クリフ・ロバートソン)が、イタリアを訪れた際にかつての妻の面影を残す女性に出会う。

 観ていて、僕が連想したのはニコラス・ローグ監督の『赤い影』(’73)という映画だった。確かに、序盤はかなり似ていると思う。

 しかしながら、後半の急展開が見事!人によってはあまりの急展開っぷりについていけなくなるかもしれない。

 全体の3分の2くらいのところで、ある衝撃の事実が明かされるわけです。ここで、その事実を観客は登場人物に先駆けていち早く知ることとなり、だからこそ後半の展開で身が引き裂かれるような思いをするわけです。



 『めまい』等過去の映画の文脈上にありつつも、現在の映画にも、『狂い咲きサンダーロード』(’80)から『モテキ』(’11)にまで影響を与えている、重要な作品であると思います。

愛のメモリー デラックス版 [DVD]

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