ALWAYS 三丁目の夕日'64(★★☆☆☆)
2012/7/28鑑賞
DVD
山崎貴監督、ALWAYSシリーズ三作目にして完結編。
劇場では見られなかったためDVDにて鑑賞。
今のように斜に構えた映画ファンになる前、このシリーズ結構好きだったんです。
そしていま改めて観ると、確かに欠点はわかるのだけれども、それでも個人的には好きだと言わざるを得ないかな。
おそらく、一作目でこういった懐古趣味作品にCGが使われていて、そのちぐはぐな世界観が気に行ったのかな(ブレードランナーみたいに、と言うと怒られるかな)。
でも、今作ももし劇場で鑑賞していたらラストの展開には有無を言わさず涙を搾り取られてしまったんじゃないか、と思う。
確かに欠点は多い。説明的すぎるきらいはあるし、音楽もうるさい。エピソードの順番も良くない気がする。
ただ、ある意味感動のポイントを全方向的に押さえているから、みんな何かしらひっかかる部分があると思う。
ぼくは、茶川先生(吉岡秀隆)が自分を勘当した亡き父が自分の作品が出るたびに必ず購入して感想を書いていたとわかる場面。確かに泣かせとしてしつこいなーとは思っていたんだけれども、前半で茶川先生が編集に言われるように書いてアイデンティティが揺らいでいたころに書いた小説に対し、きちんと父親もわかっていたという場面でぐっときてしまった。
そして、改めて気がついたのだけれども、このALWAYSシリーズ、メインとなるお話はどちらも一種の疑似家族だ。
もしかするとグッド・オールド・デイズを演出する道具として、血縁を超えた関係性を演出するために用意されたものかもしれないけれど、それだとすると(過去作からの欠点になるが)それまでの葛藤とかの描き方が薄い。むしろ血縁を超えた関係性=地域的な結びつきを強調したほうがよかったんじゃないかと思う(『おおかみこどもの雨と雪』のように)。
そして余談。
ぼくはこのDVD、実家の居間のテレビで観たのだが、そばで観ていた母が「(亡くなった)お父さんがALWAYS好きだった」というようなことを言っていた。「堀北真希のことを良いと言っていた」と。
ぼくは普段PCで映画を観るため、今回珍しく(位牌のある)居間で観たことに少しめぐりあわせを感じたりした。
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2012/07/20
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