OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ドラゴンボールZ 神と神(★★★☆☆)

同窓会に行ったら思ったより部外者に好評だった時、あなたならどう思いますか?という話



 17年ぶりのドラゴンボール劇場版。



 ぼくはドラゴンボール世代だ。どちらかというと、戦闘力がインフレーションを起こしていたドラゴンボールZ世代と言えるかもしれない。ただ、あまり熱心なファンというわけではないけれど、少なくとも各キャラクターの特徴や、ストーリーの概要くらいはつかんでいる。

 そんなわけで、招待状が来ているような感覚を覚え見に行った。



 まず、アニメーションとしての技術的な出来はすごくいいと思う。

 終盤のバトルシーンにおいてまるで坂本浩一監督のアクションを見ているような、脳汁でまくりの高速アクションはまさにドラゴンボールという媒体において発揮されるべきものだと思う。また、賛否両論あるだろうけど、新キャラのデザインを見るだに、やはり鳥山明のキャラクターデザインセンスは秀でているなと思わざるを得なかった。情報の詰め込み方が素晴らしい。



 ただ、おそらく脚本上で首をかしげるところがあった。

 しかしながら、劇場で観ていた子供たちは喜んでいたので、ぼくの考えていることは全然的外れなのかも。

 もしこの結論を受け入れられるのなら、現在の子供たちはぼくらが子どもだったころよりずっと大人だ。そのことがちょっと悔しいのかもしれない。







(以下ネタバレ)



 旧ドラゴンボール世代にとって、孫悟空というのは最強の象徴なわけです。ほとんど、強さの代名詞と言えるほど。

 それゆえ、男子にとってそこは動かし難いもの。



 この映画において、敵役であるビルス(山寺宏一)との決着はついていない。むしろ好敵手としての描かれ方が強い。

 このあたり、子供のころドラゴンボールZ劇場版を見て、絶望とカタルシスを味わった人間としてはちょっと物足りなかった。

 ただ、今の時代において孫悟空のような最強のキャラクターは時代遅れなのかもしれないな。むしろ、ビルスのように善悪がはっきりしないようなキャラクターのほうが合っているのかも。

 そう考えると、ぼくらはそろそろ孫悟空を自由にさせてあげなくてはいけないのかもしれないななんて感じた



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