『オブリビオン』(★★★★☆)
トム・クルーズ主演のSF作品。監督はジョセフ・コシンスキー。異星間戦争により荒廃した地球に住む男・ジャックは不可思議な夢を見る・・・。
傑作じゃないですか!とにかく見ていて気持ちのいい画と音楽が続いて、正直に告白すると途中で眠くなり、最初からまた見たけれど、とにかくひとつの映画として完成度が高い作品だと思いました。これはシネフィル受けもいいのでは。
ジョセフ・コシンスキーは前作『トロン:レガシー』('10)がいまいちで、観る前はどうもぬくもりがなさそうだなーと敬遠していたのだけれども、むしろ冷たい世界の中で、ボブ人形だったり音楽だったり、ぬくもりを象徴するものが果たす役割も大きく、かつ冷たさの表現も心地よくて、それがちょっとだけ飲み込みにくいラストにも説得力を与えている。
あと、とても正統派SFという感触がしたのも好感。全体的な筋はちょっとネタバレになるので名前は伏せるが、SF小説が原作で2度も映画化されているあの作品を連想したし、そのほかにもガジェットの造形的に『2001年宇宙の旅』('68)や『惑星ソラリス』('77)を連想した。
あとはやっぱりトム・クルーズでしょうね。できれば、増殖するトム・クルーズというのはきちんと画で見たかったかもしれない。けれども、この作品のこの設定のこのキャラクターに説得力を与えるには、現時点でトム・クルーズがベスト。硬質な感じがよく似合っている。
なんとなく、年の瀬に見ている映画はこれなんじゃないかという気がしました。
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