OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『ロボコップ』(ジョゼ・パジーリャ) ★★★★☆

 レンタルDVDにて鑑賞。

 僕は結構好きです。時間が経つのを感じないくらい没入させてくれたし。世界観の構築も見事だと思うし、あと風刺的なSFは大好物なので。
 旧作のほうは1しか観ていないけれども、あちらも完璧な映画だと思ってます。そして2014年版はかなり理想的なリブートといえるのではないかと。
 確かに娯楽映画としてのカタルシスに欠けるというのもわかるし、あとアクションシーンが暗いのは個人的には少し不満かも。けれども、あくまでも風刺を含んだSF映画として、かなり面白い出来になっていたと思います。この内容についてはもっと議論が交わされていい。
 観ていて、ジョゼ・パリージャ監督が『寄生獣』(岩明均)撮ったらよさそうと思った。つまり、機械(含む人ならざる者)と人とを分け隔てるものとはなにか。あとは、大衆を扇動するメディアの習性*1等、風刺的SFにつきものなテーマを存分に含み、かつロボコップ視点の映像の情報量の多さが映像的快楽を生み出す。目に映る人物の感情が文字になって現れるという即物的表現には心地よいものを感じた。
 全体的にカメラとか映像に感情を持たせないように演出していると思った。ただ、それゆえに気になったのはゲイリー・オールドマン演じる医者の内面かなあ。一般的な評価が低めなのはここにあると思う。つまり、彼が唯一観客がとっかかりにできるキャラなんですね。ただ、ゲイリーは割とノリノリでマーフィーが感情を失くすのに加担していると思ったら、終盤ではそれに反した行動もとる。で、その葛藤を現すにはこの映画の演出は不適。そういった問題点は確かにある。
 けれども、僕は総じて2014年に作られるべきSF映画として良い出来だったと思います。この路線で続編が出たら劇場で観たいくらいに気に入りました*2
 

*1:面白いのは、あくまでもこのメディアに関して劇中では評価が下されていないこと

*2:ジョゼ・パリージャ監督は現場でひと悶着あったらしく、続編を監督する可能性は低いらしいですが