OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

『猿の惑星:新世紀 ライジング』(マット・リーヴス)  ★★★★☆

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 10/26@よしもと南の島パニパニシネマ

 地味だが手堅い演出を堪能。普遍的な争いの発生する過程を描いている。良作。
 真心ブラザーズの「人間はもう終わりだ!」という曲の歌詞に「平和なんか一人のバカがぶっ壊す」っていうのがあって、この映画もまさに、大多数は平和に暮らすのを望んでいるのに、少数の好戦的な存在により争いに持ち込まれていく、それがやるせなくも、争いの本質を突く。
 の映画を観て、どの時点で彼らは間違ったのだろうと考えてみるけれども、物語が開始した時点で道を誤っていたという結論しか出てこない。猿サイドにも人間サイドにも好戦的な存在はいるけれども、どちらもあくまで自分は被害者だと思っている。
 シーザーとかコバといったエイプ達のキャラ立ちは見事だし、個人的にはジェイソン・クラークの息子がかなりいい味出していた。あと、廃墟の描写も、昼間で明るい場面が多かったのは、個人的に「そうそう、廃墟描写といえばこれだよ」という感じがして、よかった。
 個人的には、コバの手により争いの火ぶたが切って落とされてからは、そこから物語の道筋が二手にわかれることもあって、ちょっとペースダウンした印象があった。物語上必要な描写だということはわかっているし、構造的欠陥なので難しいところではあるけれども。
 シーザーとコバとの間の「手をつなぐ」という動作の意味するところが物語の中で移り変わっていって、だからこそ最後のあれはぐっとくるんだよな。