2015年映画ベスト10
ツイッターに投稿した内容とほとんど同じだけれども、ブログにも残しておきます。
10位『ヴィジット』(M.ナイト・シャマラン)
まさかシャマラン監督作がトップ10に入るとは。同監督作ということを抜きにしても、極上のホラー映画を劇場で楽しんでいるというジャンル映画を嗜む快楽を味わえたことが大きい。コメディ要素もホラー要素もPOV要素もヒューマンドラマ要素も、すべてが相手の味を打ち消すことなく高め合っている奇跡のバランス。
9位『ナイトミュージアム エジプト王の秘宝』(ショーン・レヴィ)
『ワイルド・スピード SKY MISSION』に並ぶ今年一番の号泣映画。実は『LIFE!』の続編かもしれない。大人未満の男の成長と別れをインディ・ジョーンズ風活劇で描き、喜劇王ロビン・ウィリアムズの最後の一言にまた泣く。
8位『君が生きた証』(ウィリアム・H・メイシー)
賛否両論分かれるのはわかる。フェアとは言えない語り口だし。ただ、どんなに心地良い時間空間にも亀裂は入りうるし、そのことを提示して観客に答えを委ねた姿は、鑑賞体験も含めこれが「青春映画」だったことだと思うのです。
7位『海街diary』(是枝裕和)
ここに描かれているものは美しいものばかり。だがその外縁部には酷薄な現実があるし、そもそも時間の経過に善悪はない。それならばせめてこの映画の中の限られた美しい時間を慈しみたい。
6位『心が叫びたがってるんだ。』(長井龍雪)
長井龍雪監督が描いてきた青臭さが映画という形でようやく結実した作品。こんなキラキラした青春は自分にはないのに、青春イメージの象徴化により捏造された記憶で泣かされる。『言の葉の庭』といい『たまこラブストーリー』といい、この手のジャンルには弱いのです。
5位『ネイバーズ』(ニコラス・ストーラー)
物語の快楽原則に則って人生における大事なことを説くアメリカンコメディの良さは健在。「若さvs歳を取ること」というテーマは今の自分には響いた。ディルドを作るシーンは今年の映画で一番笑った。
4位『恋人たち』(橋口亮輔)
これはベストに挙げた他の映画とは違って、快を提供してはくれない。ただ、アツシや瞳子や四ノ宮はあなたであり、耳をすませと言うだけ。僕は彼等の話を聴く方を選びたい。
3位『はじまりのうた』(ジョン・カーニー)
良質なアルバムを聴いた感触。あとキーラ・ナイトレイが可愛い。この散漫さこそ細部が全体に回収されなち映画の魅力。あとキーラ・ナイトレイが可愛い。音楽と映画が好きでよかった。あとキーラ・ナイトレイが可愛い。
2位『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(クリストファー・マッカリー)
僕の中で『スカイフォール』の続編は『ローグネイション』。娯楽の前提が解体された後の時代にここまで肉体的な活劇を楽しめたことが嬉しい。あとレベッカ・ファーガソンが可愛い。
1位『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』(マーク・バードン、リチャード・スターザック)
始まる気がした。今年僕が観たどの映画よりも台詞が少なく、かつ雄弁。運動だけで泣かされてしまう。TVシリーズが毎週放送され、運動の快楽に気付く子供が生まれる。映画の未来は明るい。
まとめると。
①映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム(マーク・バードン、リチャード・スターザック)
②ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(クリストファー・マッカリー)
③はじまりのうた(ジョン・カーニー)
④恋人たち(橋口亮輔)
⑤ネイバーズ(ニコラス・ストーラー)
⑥心が叫びたがってるんだ。(長井龍雲)
⑦海街diary(是枝裕和)
⑧君が生きた証(ウィリアム・H・メイシー)
⑨ナイトミュージアム3(ショーン・レヴィ)
⑩ヴィジット(M・ナイト・シャマラン)
となります。2016年はプライベートも仕事もいろいろありそうで、映画を観る本数もだいぶ減りそうだけど、その時の自分を映す作品をちゃんと見つけられたらよいなと思います。