OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

アイデン&ティティ

 今更だけど、観た。
 俺はやっぱり邦画が好きだ。邦画が好きというより、音楽でも小説でも、何でも日本のものに惹かれる傾向がある。なぜか?思うに、俺が日本人だからだ。別に外国のものを否定しているわけじゃない。外国のロックを聴いて、そのテクニックのすごさや音響のよさにしびれることもあるし、外国の映画を観て「こんな技術日本じゃできないだろうなあ」と思うこともある。それでも日本のものが好きだ。きっと、日本の映画やロックはこのしょうもない俺自身であるからだ。
 そして本題。みうらじゅんさん原作の漫画を田口トモロヲさん監督、宮藤官九郎さん脚本、銀杏BOYZ峯田和伸さん主演で映画化した本作。時代設定は90年台初頭のバンドブーム期からそれの終焉まで。SPEEDWAYというバンドがバンドブームを終わって仕事がなくなり、解散の危機、ボーカルの不在という逆境にあった時、ギターの中島がボブディランや彼女の支えによって自分の本当にやりたいことを見つけていくという内容。
 原作から特に大きなアレンジが加えられているわけでもないし、台詞もほとんどはそのまんまだ。だけど、この作品は映画としてすごくいい。なぜか?四畳半のアパート、居酒屋、外国のロックムービーではきっとこんな貧乏くさい舞台は出てこないだろう。だからこそこの作品は俺にとってすごくリアルだし、中学生のころからバンドブームのころの作品愛聴してきた俺にとって思い入れが深いのだ。
 それと、この作品を通して感じたのは(原作を読んだときも感じたことだけど)、女性の偉大さだ。中島の彼女の動じない様子、中島の最大の理解者である様子は心打たれた。

「あたしはその辺の君のファンとはレベルの違う、もっと深いところの、君自身のファンなんだよ」

 うろ覚えだけど、この台詞を聴いたとき、泣いてしまいましたよ。

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