OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2009-01-01から1年間の記事一覧

ナイン・ソウルズ('03/豊田利晃)

豊田利晃の映画はダサい。 「青い春」という不良の群像を描いた映画ではBGMにミッシェル・ガン・エレファントやブランキー・ジェット・シティーを使用していたのだが、これがもう完全に音楽に映像が食われていた。 ミッシェルはともかくベンジーの声なんてど…

ウルトラミラクルラブストーリー(★★★☆☆)

★3つなんていう中途半端な評価ではなく、★5つと★1つが自分の中でせめぎ合っている感じがあります。観終わった数日後にふとこの映画の思い出に浸るような印象。 内容は、青森県の田舎で暮らすちょっと脳に障害のある青年(松山ケンイチ)が消えた恋人(の…

空気人形(★★★★★)

あまり間を置かずに二回観た映画。別にペ・ドゥナのヌードが目的じゃないぞ(それもあるけど・・・)。 最初この映画を観終わったあとずーんときて、3日くらいふと気付くとこの映画の事を考えていたかもしれない。言葉にできそうでできない感じがずっとして…

I'm sorry, mama/桐野夏生

最近話題になっている結婚詐欺連続不審死事件。 この事件を聞いて真っ先に思い浮かんだのがこの小説だった。 この小説の主人公の女性は、自らの手段のためなら人を殺すことも厭わない。そもそも善悪の概念すら私たちのそれとは大きく異なっている。 また、外…

変愛小説集

「変愛」です。「恋愛」でも「偏愛」でもなく。 このアンソロジーの中には、訳者の岸本佐知子さんが編纂した「変」な恋愛小説が11編おさめられています。僕はニコルソン・ベイカーしか知らなかったのですが、どれも面白く読めました。 「変」とは通常とは「…

精神(★★★★☆)

精神の病・・・といってあなたは何を思い浮かべるだろうか? 僕の思い浮かべたのは、街角の奇人さんだった。いわゆる、奇声をあげたりするタイプ。 それまで僕は、精神病というものをきちんととらえてはいなかったのかもしれない。正常に生活を営んでいる人…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(★★★★★)

二回観た。一回目はソラリアシネマの広い会場。客もそんなに多くなかった。ただ、贅沢な体験をしたと感じた。二回目は桜坂劇場の狭い会場。人口密度の高さもあってオマツリのような体験をした。 今回の劇場版。一言で言えば、これからまた一年以上待てという…

先週の読書記録

ライトノベル、多め。2009年7月20日 - 2009年7月26日の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:3806ページ ■あそびにいくヨ!〈7〉とってもあついのキャーティアシップ (MF文庫J) これは今までで一番バカな回かもしれない。どのアニメにも一回はあ…

先週の読書記録

2009年7月13日 - 2009年7月19日の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2456ページ■北回帰線 (新潮文庫) おそらくは、ミラー自身のパリでの生活をもとにした、酒と性愛に満ちた活気溢れる交流の物語。でもミラーってパリ生活の頃はすでに30〜40代…

先週の読書記録

2009年7月6日 - 2009年7月12日の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2419ページ■偶然の音楽 アメリカの自由、そして絶望。男二人のロードムービーは展開を二転三転し、思いもよらない結末へ辿り着く。壁を造る仕事が人間に課せられた原罪を象徴…

先週の読書記録

翻訳強化月間実施中 2009年6月29日 - 2009年7月5日の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:1558ページ■ガープの世界〈下〉 上巻の感想でこの物語は混沌としていると書いた。下巻に入りますます混沌を増してきたようだった。けど読み進めるうちに…

6月の読書記録

ああ、このころはひたすら受験勉強やってたなあ 2009年6月の読書メーター 読んだ本の数:18冊 読んだページ数:4787ページ■ガープの世界〈上〉 初アーヴィング。生と死と精子と戦争と女性運動と教育と文学の混沌の中からすくい上げた強い物語。濃いです。ガ…

5月の読書記録

5月は遠くになりにけり 2009年5月の読書メーター 読んだ本の数:24冊 読んだページ数:7601ページ■パラドックス13 自分が読んだ東野作品の中では最もSF度合いが強いと感じた。全編を通して、兄と弟の口を借りて理性と感情の、公と個の対立が描かれていて面…

先週の読書記録

5月6月はあまり読めないと思います2009年4月27日 - 2009年5月3日の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:1511ページ■銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) 今まで読んだSFとは違う印象。「家畜人ヤプー」が近いかな?自虐的なジョークが。ドタバ…

先週の読書記録

2009年4月20日 - 2009年4月26日の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:2413ページ■パスクアル・ドゥアルテの家族 スペインのノーベル賞作家、セラの小説。殺人者の一生を手記形式で綴ったもので、時系列がはっきりしない部分なども多い。信頼で…

先週の読書記録

2009年4月13日 - 2009年4月19日の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2408ページ■シャングリ・ラ 下 (角川文庫) 面白かった。多少収束に手間取った感じはしたが、これだけ多くの要素が盛り込まれた物語を紡ぎだした作者に拍手を送りたい。初め…

先週の読書記録

かつてないほど本が読めなかった週だった。しかも2/3が根本敬…。 2009年4月6日 - 2009年4月12日の読書メーター 読んだ本の数:3冊 読んだページ数:884ページ■赤朽葉家の伝説 「ブルースカイ」「青年のための読書クラブ」ときて、これが桜庭一樹のひとつの到…

先週の読書記録

2009年3月30日 - 2009年4月5日の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2196ページ ■少女地獄 (角川文庫) 非常識と呼ばれる人間には二種類いる。社会と繋がる気のない人間と、社会と繋がる方法があまりにも奇異な人間。そして、ここに出てくるのは…

相対性理論「シフォン主義」

音楽タブ使うの久々だな。つまり久々にはまったミュージシャンが相対性理論ってことだけど。 一言で言や「あざとい」。いかにも不思議ちゃん気取った歌詞、80年代っぽいメロディ、チープな音。どうみてもこういう風にやれば受けるんでしょという声が聞こえる…

先週の読書記録

二極化の傾向2009年3月23日 - 2009年3月29日の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1772ページ■I'm sorry、mama. (集英社文庫 き 16-2) うわー、何というか…。仮に私に文才があったとしても、この母性を始めとするあらゆるモラルを否定する小説…

先週の読書記録

一日七冊は新記録だわ2009年3月16日 - 2009年3月22日の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:3996ページ■ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね 高校時代愛読していた漫画家岡崎京子さんの小説。バリバリのポストモダンです。やっぱりこの人の詩…

先週の読書記録

2009年3月9日 - 2009年3月15日の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3590ページ■遠まわりする雛 クドリャフカの感想で書いたことの理由がわかった気がした。「古典部」シリーズは日常の謎を扱った人が死なないミステリー、だが、本当にそうな…

先週の読書記録

ヨネザワとハルキとユユポ2009年3月2日 - 2009年3月8日の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2522ページ■とらドラ 10 (10) (電撃文庫 た 20-14) 生まれて初めてAmazon.co.jpを駆使して手に入れてやった!うん、よかった!デレるだけで終わった…

先週の読書記録

忙しくてあんまり読めなかったな。「巨匠とマルガリータ」「蜘蛛女のキス」みたいに壁にぶつかっている小説もあるし。 2009年2月23日 - 2009年3月1日の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1808ページ■不道徳教育講座 高校生の頃には「仮面の告…

その土曜日、7時58分(シドニー・ルメット)@シネマパレット

【注:ネタバレ含】 ルメット監督の映画は初めて観た。なかなか救いようのない映画で、ヲタ的表現をするならnice boat.といったところか。nice pillow. 最初はまったく前知識を入れないで見に行ったため、「アフタースクール」のような映画だと思ったんだよ…

先週の読書記録

2009年2月16日 - 2009年2月22日の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2938ページ■隊商―キャラバン (岩波少年文庫 (2081)) 19世紀に夭折したドイツ人作家の手による児童文学。アラビアンナイトの影響も感じた。粗筋は、キャラバンに向かう商人…

僕らのミライへ逆回転(ミシェル・ゴンドリー)@桜坂劇場

ミシェル・ゴンドリーは「エターナル・サンシャイン」ははまれなかったのだけれど、「TOKYO!」の一篇は好みだった。だから個人的にこの映画をみるのは50%の賭けだった。 そして、その賭けは幸いにも成功した。 はじめはミシェル・ゴンドリーの柔らかな演…

少年メリケンサック(宮藤官九郎)@シネマQ

★★★☆☆ この映画を見て、今更ながら宮崎あおいのファンになってしまいました。 クドカン作品は一昨年あたりから自己模倣に入ってしまった気がします。特にドラマの脚本でそれが顕著に見られた気がして、やっぱり木更津キャッツアイの完結は区切りだったのかな…

先週の読書記録

2009年2月9日 - 2009年2月15日の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2316ページ■金剛石のレンズ (創元推理文庫) 今から150年も前にこんな小説があったのか。ポーより断然現代に通用すると思う(ポーは狂気が強すぎる)。そこはかとなく漂うダメ…

先週の読書記録

先々週は教習所のストレスからの反動とはいえ読みすぎたことに反省(1月の読書冊数60冊とか行ってたし・・・)。 先週読んだ本でポール・オースターの「幻影の書」と千早茜の「魚神」(これは日曜の夜に読み終わったので今週に入るが)は改めて感想を書こう…