OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アンダーグラウンド

エミール・クストリッツァの問題作。1995年製作。 観る前は、戦中の思想のまま暮らし続けた人が長い時を経て外に出たときにどういう反応をするか、を描いたコメディ、だと思ったのね。たしかにそういう部分もあった。しかし、これはなんだろ? まず日本では…

斉藤和義「Because」

斉藤和義の5枚目のアルバム。1997年発表。 この年の斉藤和義はアルバム2枚出しているし。名曲「歌うたいのバラッド」も出しているしで、相当精力的な活動をしている。今でもコンスタントにアルバムを出し続けているから、プロのシンガーソングライター…

チャットモンチー「生命力」

チャットモンチーの2枚目のアルバム。 どうやら、ソニーは本腰を入れてチャットを第二のJUDY AND MARYにし始めたらしい。 そのことを顕著に表しているのがサーフ風の「とび魚のバタフライ」とジュディマリの「BATH ROOM」を連想させる「バスロマンス」だと…

幸福の黄色いハンカチ

山田洋次の映画。1977年。出演は高倉健、倍賞千恵子、武田鉄也、桃井かおり。しかし、実質的に主役は武田と桃井のようなもの。 ぼくは「男はつらいよ」が好きで、あの柴又の世界観は日本が世界に誇るものだと思っている。だけれども、時折寅の無神経さに憤り…

GO

金城一紀の青春小説を、宮藤官九郎が脚本を書き、行定勲が監督した作品で、この年の映画賞を総なめにした作品。 前半の疾走感は面白いの一言。ここだけの話、ぼくは原作を現代の「ライ麦畑でつかまえて」じゃないかってくらい高く評価しているのだけれど、そ…

日本列島

社会派映画監督・熊井啓の1965年の映画。 とにかく空恐ろしくなるのは、もしかすると今でも日本はアメリカに支配されているのではないかと思わされること。 少しずつ真実が明らかになりそうで、それが目の前で掠め取られてしまうような、そんなもどかしさが…

恐怖分子

台湾の監督・エドワード・ヤンの1986年製作の映画。初エドワード・ヤンだった。 ストーリーが複雑で、正直一回見ただけじゃわからなかった。ただ、印象的な映像は多いけれど、全体としてまとまっているわけではないし、ストーリーをわかりやすく説明している…

スクール・オブ・ロック

デトロイト・メタル・シティが映画化されるそうだ。はっきり言って、期待できるとは思えない。 この作品は原作者がメタルをはじめとするについて描いているにもかかわらず、ロック全般の知識がないため、内容がスカスカであるのがつらい。だから、もし映画化…

グッドモーニング・バビロン

1987年のイタリア・アメリカ合作映画。製作後20年の今、あまり評価が高くない気がするのは気のせい? キネ旬だと「映画に対する愛情を示す一作」で「この年群を抜いていた」とあるけれど、それほど? 確かに、撮影機を巧く小道具に用い、敵対すること…

書を捨てよ町へ出よう

松本人志が「大日本人」を撮ったときに言っていたのは、「既存のジャンルにあてはまらない」ということだった。 しかし、できた映画は、きちんと「映画」だった。確かに新しい部分はあったかもしれない。けれど、数少ない前情報と、松本がこれまでコントの枠…

竹内真「風に桜の舞う道で」

正直に言えば、かなりセンスのないタイトルだ。 内容も、あまり突出したところはみられず、予備校寮である「桜花寮」の日々は楽しそうだな後は思うし、一人一人のキャラクターの掘り下げもなかなかだとは思うけれど、そこに流れる思想は良識を抜け出してはい…

霧の中の風景

アンゲロプロスといえば難解だという印象があります。 ぼくもそう思っていました。だから一番上映時間が短いこのビデオを借りました。120分。 個人的に長回しは好きなので、わりとサクサク見ることができました。 これはいわゆるロードムービーですね。アテ…

ヘザーズ ベロニカの熱い日

高校生の頃は今以上に傷つきやすかった。自殺なんて年がら年中考えていたかもしれない。 主人公のベロニカ(ウィノナ・ライダー)は他人の筆跡を真似るのがうまいこと以外は平凡な高校生だ。ヘザー率いる女子グループで一番下っ端みたいなポジションに居る。…

鬼頭莫宏「ぼくらの」

鬼頭莫宏の「なるたる」に続く作品。 「なるたる」で気になった設定の説明の不明瞭さがコエムシというナレーター役を置くことで改善されている。 そして、おそらくここで作者はもうひとつ改善を狙っていることがあると思う。 それは、物語の勝利だ。 おそら…

鬼頭莫宏「なるたる」

鬼頭莫宏はかなり斬新な考え方を導入したと思う。 それは、命は代替が利くものだ、ということだ。 「なるたる」と同じ雑誌で連載された「寄生獣」は漫画史に残る傑作だと思う。けれども、作者が作中で出した問題に結論が出せているかは疑問だ。最終的に「私…

六道神士「ホーリー・ブラウニー」

「エクセルサーガ」を代表作としてもつ漫画家六道神士の隠れた傑作。中世、現代、未来、「今は昔」の世界など古今東西問わずありとあらゆるところに表れる妖精(神様のパシリ)のフィオとビオラが神様に与えられた仕事を遂行し人間を助くべく奮闘するが、最…