OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『舟を編む』(★★★★★)

2013/11/7鑑賞(DVD) 三浦しをんのベストセラー小説を『川の底からこんにちは』('10)等で知られる石井裕也監督が映画化。辞書作りを一生の仕事として選んだ青年・馬締を松田龍平が演じる。 原作既読で鑑賞。非常に楽しめました。 いきなり私事で申し訳ないが…

『県庁おもてなし課』(★★☆☆☆)

有川浩と三宅喜重(関西テレビ)のタッグは『阪急電車〜片道十五分の奇跡〜』('11)に続き二作目。 嫌いではないです。日曜の昼下がりに見るにはいい映画でした。 そもそもの問題なのだけど、原作の有川浩という人は「ラブコメを描きたい」という強固な作家性…

『スプリング・ブレイカーズ』(★★★★☆)

まず映像がかっこいい!PV的ではあるのだけれども、クラブミュージックの持つ高揚感とともに、合間に感じる寂寞をも表現していて文学性すら感じた。どことなくアメリカンニューシネマの香りもする。 最近の作品で類似点を指摘しやすい映画といえば、『プロジ…

『千年の愉楽』(★★★★★)

昨年事故死した若松孝二監督の遺作。中上健次の同名連作短編集を映画化。出演は寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼祐、染谷将太等。 不謹慎な言い方だが、若松孝二監督これが遺作だなんてかっこよすぎるでしょ!ぼくはこの先が観たかったよ。 まず思ったのが、本…

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(★★★★☆)

大泉洋が主演を務める『探偵はBARにいる』('11)の2作目。友人のマサコ(ゴリ)が殺されたことを追う主人公は暗い闇に呑み込まれていく。 日本の娯楽映画で、出来が及第点以上だとそれだけで評価甘くなってしまう傾向があるのだが、それを差し引いても傑作! …

『セデック・バレ』(★★★★☆)

日本占領中の台湾で起こった「霧社事件」を一大スペクタクルで映画化! 政治的なデリケートさがあるためこの言葉を使うのが不謹慎かもしれないが、娯楽として素晴らしかった。日本映画黄金期を思わせられる。 ただ、確かに台湾統治時の日本の蛮行を描いては…

『そして父になる』(★★★★☆)

2013/10/4@シネマQ 2013/10/25@新宿ピカデリー ※内容に触れています はじめに、総評として。 実は『凶悪』以上に痛いところを突かれた気がした作品であります。それと、『桐島、部活やめるってよ』と同様の問題を扱っているように思います。どちらも問題提…

『映画「立候補」』(★★★★★)

平成23年の大阪府知事選挙において、マック赤坂をはじめとする泡沫候補とされた候補者の姿に迫るドキュメンタリー映画。 まず考えたのは。この映画、完全にこの歌の世界↓ マック赤坂にせよ外山恒一にせよ羽柴秀吉にせよ(この映画には出ていないけど)又吉イ…

乙郎的SF映画ベスト10

SF映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 毎年恒例の、ワッシュさんの映画ベスト企画に参加させていただきたく存じます。 毎年、こういったランキングを作成すると自分があまりジャンル映画的な見方をしてこなかったことを思い知らされるわけですが、今回も…

『セレステ∞ジェシー』(★★★★★)

当初4館の限定公開から586館まで拡大公開を成し遂げた恋愛映画。主演のラシダ・ジョーンズ(クインシー・ジョーンズ)自身の経験がもとになっているらしい。『ルビー・スパークス』('12)といい、経験をもとにした物語を女優本人が演じると言うのはトレンド…

『みな殺しの霊歌』(1968年・加藤泰監督)

非常に独特。バランスは明らかにおかしいし、ラストもぶつ切りなのだけれども、それゆえ変な余韻を残す。やはり黒と白のコントラストが理屈よりも先に生理的な反応を作り出しているのがすごい。 内田樹はマイケル・ダグラスの映画を例に出してアメリカ映画に…