OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

依頼人(ジョエル・シューマッカー)

TVにて鑑賞。おそらく、かなりカットされているので正当な評価はできないけれど、それなりに楽しめました。 『依頼人』について興味深いのは、この映画の中で「父親」的な存在が物語の中心から排除されていること。出てくる男性は、例えば殺し屋のアンソニー…

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命(デレク・シアンフランセ)

デレク・シアンフランス監督の前作『ブルーバレンタイン』もかなりよかったのだけれども、あの映画で倦怠期のすれ違いを描いていたが、さらにスケールが拡大した本作ではより普遍的な方向に進んでいたように思う。シアンフランス監督は、感情のドラマをきち…

ビフォア・サンセット(リチャード・リンクレイター)

私自身は3年前に『ビフォア・サンライズ』を観てから、間をおいて今回続編を観ることにした。 映画の中でも現実においてもあの甘い思い出から9年経っている。 最初は明らかに取り繕っている会話だってのがわかるので、ちょっと乗り切れなかったのだけれども…

嘆きのピエタ(キム・ギドク)

これはすごい。過去のキム・ギドク作品に比べわかりやすくなっているものの、相変わらず凄惨。でもどこか穏やかなものも感じる。 プロット的な部分の特異さもそうなのだけれど、キム・ギドク映画の中では明らかに現実のコードを逸したものが出てきて、それが…

ローン・レンジャー(ゴア・ヴァービンスキー)

このクリシェはあまり使いたくなかったが、「映画館で見たかった!」。映画史に残る11分のクライマックスという宣伝文句も誇張ではない。ウィリアムテム序曲がかかった瞬間、泣きました。 西部劇映画に詳しくないので、すべてのカットがキマっていて映画的快…

散りゆく花(D.W.グリフィス)

勉強中の身なので非常に当たり前のことを言う。無声映画なので動きですべてを表現する。その中でも、怒りや恐怖の表現はすさまじく、未だに余韻を残している。特に、終盤を支配する、ルーシーの父・バロウズによる感情の表現といったら。 完全に動き(と劇伴…

トリック劇場版 ラストステージ  ★★

(@シネマQ) トリックの劇場版の中では一番出来がいいと思う。そりゃ、ミステリーとしては犯人が聞かれてもいないのに真相を明かすタイプのダメダメ作劇だし、小ネタの挟みもわずらわしい。けど、嫌いになれません。 ある程度『トリック』の登場人物に愛着…

もうひとりの息子 ★★

(@桜坂劇場) 評価の高い作品なので畏れ多いが、実はちょっと腑に落ちなかった。中東危機について浅学だからとは思うが、歴史的に根深い対立ゆえに果たしてこの解決でいいのだろうかと思ってしまったから。 『もうひとりの息子』に限らないけれど、海外の作…

武士の献立(朝原雄三) ★★★★

(@シネマQ) 面白かった。その前に見た『恋の渦』とは正反対で、旦那を立てつつも叱咤激励する良妻の物語だった。淡々としてはいるけれど、良質の映画。上戸彩は時代劇にはちょっと現代的すぎるかなと最初は思ったが、彼女の役割は封建的な時代に対する異端…

恋の渦(大根仁) ★★★

(@桜坂劇場) 僕にとっては怖い映画でした。町山智浩が見たら『トラウマ恋愛映画館』に入れるんじゃないのだろうか。観た後はタイトルの「恋の渦」という言葉が皮肉に響く。 あらかじめ言っておくと、とても評価が高い作品だし、ぼくも完成度の高さは認める…

暗殺の森(ベルナルド・ベルトリッチ)

今まで見ていなかったことが恥ずかしい。オールタイムベスト入りです。 正直に言えば時代背景の理解が浅かったことから、ストーリーを完全に理解したとは言えない。ただ、映像が何よりも雄弁に語ってくれる。要は、マルチェロの不安定な内面の揺れに呼応して…

ポンヌフの恋人(レオス・カラックス)

今年は積極的にこの言葉を使っていこうと思うけど、「言語化できない」。ストーリーは散漫だけど、映画的としか言いようのない映像の連続で、すげえと思った。ただ、なぜすげえと思ったか言葉にできない。 よくアルモドバルの映画なんかでポスター等女性の顔…

ブリングリング(ソフィア・コッポラ) ★★★★★

@桜坂劇場。かなり楽しめました。 セレブから貴重品の盗難を行う彼女たちの動機ははっきりしないところや、セレブ宅の構えがまるでショッピングモールのように見えてくるのはおそらく意図的だろう。 ただ、彼女たちの罪悪感のなさを、若い世代の傾向だとか、…

ペコロスの母に会いに行く(森崎東) ★★★★

@桜坂劇場鑑賞。とてもよかったです。客席が笑いに包まれている状態というのを久々に体験したかもしれない。 漫画ではデフォルメで中和されていた部分が実写になるとリアルさゆえ辛い(悪い意味ではなく)部分もあったけれど、それも含め意義ある作品だった…